放射MTGメモ(2012/11/13)

参加者

  • 石渡正樹、はしもとじょーじ、濱野景子、高橋康人、三上峻、大西将徳

Nakajima et al. 1992の再現(大西)

  • プログラムとドキュメント作成終了
    • https://www.gfd-dennou.org/GFD_Dennou_Club/dc-arch/dcrtm/model/onishi/Nakajima1992/
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同期回転惑星の放射計算の検証作業(大西)

  • OLRの値の検証
    • 対流圏界面の温度と光学的厚さからの見積もり(Nakajima et al., 式(8))
      • 大気上端でのOLR(: F_top)と圏界面の値から推定したOLR(: F_top_tp)の差は、runごとに10^-4〜10^0程度のばらつきがある(最大で2.4 [w/m2](Ts: 270[K], F_top: 298.4[W/m2]))
        • ずれが大きい計算は、圏界面のギザギザ(圏界面上の温度より、一つ上のグリッドの方が温度が高い)が多少みられる
        • 湿潤断熱減率で引っ張った温度の最上層を圏界面のグリッドとしていたが、圏界面より多少上のグリッドで同様の見積もりを行うと、ずれは小さくなる。
          • この場合、ずれが大きいのはOLRが大きいrun。
    • 地表面温度が高いケース(水蒸気混合比が1に近い)で、飽和蒸気圧曲線から見積もられる光学的厚さ2/3になる大気からの放射と、OLRの計算結果の比較
      • 水蒸気混合比 = 1、飽和水蒸気曲線(相対湿度 h の依存性は、飽和水蒸気曲線のh/100倍として与える)を仮定
      • 光学的厚さが2/3になる温度による放射強度とOLRを比較
      • この見積もりによる放射強度の方が、数値計算によるOLRより20[W/m2]程度大きい(湿度が小さいほど多少差は大きくなる)
        • 放射対流平衡計算をすると、光学的厚さが2/3となる高度は対流圏内になる。このため、OLRの見積もりがぴったり一致はしない。
  • 圏界面付近で温度極小が現れることに関するプログラムの確認
    • 圏界面付近で温度の極小が現れ、かつ、Flux Convergenceが負になっていると前回報告したが、実際には温度の極小とFlux Convergenceの負は別のグリッドであり、さらに計算の精度を上げて計算すると温度の極小も減少することが確認された。

吸収係数の計算(大西)

  • 計算の方針
    • HITRANデータベースより、任意の温度、圧力、波数で吸収スペクトルを計算する(線吸収)。
      • スケーリング近似などは使わない。
    • 連続吸収は、MT CKD 1.0を使う(関口さんのD論より)。

木星のガスの吸収線について(高橋)

  • line - by - lineで計算した吸収スペクトルの圧力による変化について
    • 1本の吸収線に対し温度一定(300[K])、圧力(10^2[Pa]〜10^6[Pa])を変化させて吸収線を比較
      • 波数の刻みを10^-3[cm-1]とすると、積分強度がほぼ一致

次回の日程

  • 11/27(火) 9:00- (11/20(火)はFDEPSのためお休み)