=== GFD オンラインセミナー 第 13 回 * 日時: 2024 年 2 月 19 日 (月) 15:00 - 17:00 * 話題提供者とタイトル 犬伏 正信 (東京理科大学理学部第一部応用数学科) 「データ駆動型乱流研究に対する力学系的アプローチ」 * 要旨: 近年,AI・データ科学の進展により,乱流研究は新たな展開を見せている.演繹的には困難である乱流モデルの構成も,ある種の乱流系ではデータのみから構成可能であることが示されつつある.このようにデータ駆動型手法は現在脚光を浴びているが,例えばモデル化性能の見極めや開発指針は現状では経験やノウハウによるところが大きく,それらを保証する理論的基盤が整備されているとは言い難い.データ駆動型研究が盛んな今こそ重要な理論的基盤の一つとして,本研究では力学系理論に注目する.力学系理論において古くからよく知られた概念や現象(Lyapunov次元やBlowout分岐)が最新のAI・データ科学を用いた乱流研究[1,2]において重要になることを紹介したい. [1] Linot and Graham, Dynamics of a data-driven low-dimensional model of turbulent minimal Couette flow, J. Fluid Mech. 973, A42 (2023). [2] Inubushi, Saiki, Kobayashi, and Goto, Characterizing Small-Scale Dynamics of Navier-Stokes Turbulence with Transverse Lyapunov Exponents: A Data Assimilation Approach, Phys. Rev. Lett. 131, 254001 (2023).