# 表題 ruby-netcdf の deb パッケージ作成の手引 # # 履歴 2004/03/12 小高正嗣 ■ この文書について この文書は ruby-netcdf (netCDF ruby インターフェース) debian パッケー ジ作成の手引である. ■ ソースダウンロード先 http://www.gfd-dennou.org/arch/ruby/products/ruby-netcdf/ruby-netcdf-0.5.4.tar.gz ■ インストール先ディレクトリ /usr/lib/ruby 以下にインストールする. デフォルトでは /usr/local 以下 にインストールされてしまうので注意すること. ■ 環境変数の設定 パッケージ情報に引用される環境変数 EMAIL と DEBFULLNAE を設定する. $ export EMAIL=odakker(at)gfd-dennou.org $ export DEBFULLNAE="Masatsugu Odaka" ■ 事前インストールパッケージ 事前に以下のパッケージが実行環境にインストールされているか確認する. dh-make dpkg-dev fakeroot netcdfg3 netcdfg-dev ruby ruby-narray ruby-narray-dev ■ deb パッケージ化: 初めての場合 1) ソースをダウンロードして展開後, ソースのディレクトリ名を <パッケージ名> - <バージョン名> に変更する. 名前に使える文字列は "a-z0-9","+","-" である. 大文字は 使えないことに注意. 今回の場合ソースツリー名が ruby-netcdf-0.5.4 となっているので, そのまま利用する. 2) パッケージ情報の作成 次にパッケージ情報の雛型を作成する. $ dh_make -s これにより, ソースアーカイブトップディレクトリに debian ディレクトリ が作成される. 編集するファイルは以下の通り ・control パッケージ名などのパッケージ情報を記載する. セクションを指定. Section: math 依存関係は以下のように記述する. Depends : ${shlibs:Depends}, libruby (>= 1.6.7-3), netcdfg3 (>= 3.5.0-1), netcdfg3 (>= 3.5.0) Recommneds: netcdf-bin, ruby-narray-miss 依存パッケージのバージョン名パッケージ作成環境にあわせて適宜変更 する. ・copyright ライセンス規定を記述する. 詳細は実ファイルを参照. ・changelog パッケージの更新履歴を記述する. これも詳細は実ファイルを参照. ・docs パッケージに含めるドキュメントファイルを記述する. ここでは ソース直下の以下のファイルとディレクトリ名を記述する ChangeLog INSTALL ToDo demo doc test ・rules パッケージ化を行うための Makefile. configure にオプションを加え, インストール時にシンボリックリンクを作成する. - configure-stamp: ... # Add here commands to configure the package. # ruby extconf.rb ... - install: build ... # Add here commands to install the package into debian/ruby-netcdf. $(MAKE) install DESTDIR=$(CURDIR)/debian/ruby-netcdf (注意: デフォルトでは上記のようになっているはずである make site-install とすると /usr/local 以下にインストールされてしまう) 3) パッケージ化 まず $ ruby extconf.rb とし, Makefile を作成する. 作成した Makefile において sitedir = $(prefix)/lib/ruby とする. しかる後にソース直下のディレクトリにて $ dpkg-buildpackage -rfakeroot を実行する. その結果, 一つ上のディレクトリに ruby-netcdf_0.5.4-X.diff.gz ruby-netcdf_0.5.4-X.dsc ruby-netcdf_0.5.4-X_i386.changes ruby-netcdf_0.5.4-X_i386.deb ruby-netcdf_0.5.4.orig.tar.gz が作成される. ■ deb パッケージ化: 再パッケージ化する場合 既に作成したパッケージに不具合があり, 再パッケージ化する場合, ruby-netcdf_0.5.4-X.diff.gz ruby-netcdf_0.5.4-X.dsc ruby-netcdf_0.5.4.orig.tar.gz をダウンロードして $ dpkg-source -x ruby-netcdf_0.5.4-X.dsc を実行する. これにより, debian ディレクトリを含むソースツリーが復元 できる. ソース直下に移動後, $ dch -i を行う. これによりエディタが changelog ファイルを時動的に読み込んで 起動する. 記載されるパッケージ番号も時動的に 1 つ繰り上がる. あとは新規パッケージと同様の手順でパッケージ化する. ■ deb パッケージ化: ソースが更新された場合. ソースが更新された場合(ここでは ruby-netcdf-0.5.5 がリリースされたとする), 古いソースディレクトリにて $ uupdate -u ruby-netcdf-0.5.5.tar.gz を実行する. これにより, 時動的にソースが更新される. 1 つ上のディレ クトリに新しいソースツリーが展開されているのでそちらへ移動し, あと は新規パッケージと同様の手順でパッケージ化する.