これまでのプログラム USPAC1 や USPAC2 では, x 座標値の配
列を宣言して等間隔に値を代入し, f(x)型の一次元図を描きましたが, これ
はちょっと大げさな気もします. ここで, 未定義値 RUNDEF をうまく使
うと, プログラムが簡単になります. 次のプログラム USPAC3 は USPAC1 と同じ図を描くプログラムですが, x 座標値は等間隔なので,
UUPACK におまかせします.
まず, 19行めで RUNDEF の値を参照し, 22行めの USGRPH ルーチ ンで X を指定するかわりに RUNDEF を指定します. このように, X は定義されていないと宣言すると, USGPRH は x 座標値がウ インドウの幅いっぱいに等間隔にならんでいるものと解釈してグラフを描きま す. このとき, USGRPH が呼ばれる前に x 方向のウインドウは決まっ ていないといけませんから, GRSWND ルーチンで x 方向だけを陽に与 えています. ここでも, y 方向は未定義にして, 正規化変換の確定は USGPRH ルーチンにおまかせしています. 実行結果は, 前の USPAC1 の 場合と全く同じです.
PROGRAM USPAC3 PARAMETER( NMAX=50, XMIN=1950, XMAX=2000 ) REAL Y(0:NMAX) R = 3.7 Y(0) = 0.5 DO 10 N=0,NMAX-1 Y(N+1) = R*Y(N)*(1.-Y(N)) 10 CONTINUE WRITE(*,*) ' WORKSTATION ID (I) ? ;' CALL SGPWSN READ (*,*) IWS CALL GROPN( IWS ) CALL GRFRM CALL GLRGET( 'RUNDEF', RUNDEF ) CALL GRSWND( XMIN, XMAX, RUNDEF, RUNDEF ) CALL USSTTL( 'TIME', 'YEAR', 'HEAT FLUX', 'W/m|2"' ) CALL USGRPH( NMAX+1, RUNDEF, Y ) CALL GRCLS ENDPROGRAM USPAC3
次のプログラム USPAC4 では, USSPNT や UULIN などのルー チンで Y を指定するかわりに RUNDEF を指定して, y 方向に 等間隔なデータを描きます. ここで, UUMRK ルーチンはポリマーカープ リミティブに対応するもので, UUSMKT, UUSMKI, UUSMKSで このパッケージで使うマーカーの属性(種類, 描く線の太さ, 大きさ)を設定で きます. USSPNT ルーチンを使ってウインドウを決め, ビューポートの 設定は初期値に頼りますので, GRSTRF ルーチンの前に USPFIT を呼んでいることを再確認しておきましょう.
PROGRAM USPAC4 PARAMETER( NMAX=50, YMIN=0., YMAX=50. ) REAL X1(0:NMAX), X2(0:NMAX) ISEED = 1 DO 10 N=0,NMAX Y = YMIN + (YMAX-YMIN)*N/NMAX X1(N) = 10.*(EXP(-Y/20))**2 * EXP((RNGU3(ISEED)-0.5)*2)**2 X2(N) = 10.*(EXP(-Y/20))**2 10 CONTINUE WRITE(*,*) ' WORKSTATION ID (I) ? ;' CALL SGPWSN READ (*,*) IWS CALL GROPN( IWS ) CALL GRFRM CALL GLRGET( 'RUNDEF', RUNDEF ) CALL GRSWND( RUNDEF, RUNDEF, YMIN, YMAX ) CALL USSPNT( NMAX+1, X1, RUNDEF ) CALL USSPNT( NMAX+1, X2, RUNDEF ) CALL GRSTRN( 3 ) CALL USPFIT CALL GRSTRF CALL USSTTL( 'MIXING RATIO', 'ppmv', 'HEIGHT', 'km' ) CALL USDAXS CALL UUSMKT( 2 ) CALL UUMRK( NMAX+1, X1, RUNDEF ) CALL UULIN( NMAX+1, X2, RUNDEF ) CALL GRCLS ENDPROGRAM USPAC4
この章で紹介した正規化変換のおまかせ確定は, 「らくらくDCL」の他の章で は使っていません. 教育的な配慮を優先したからで, 正規化変換の内容を陽に 意識してもらいたいからです. しかし, この章で「おまかせ」の意味がはっき り分かったら, これを積極的に使って何も問題ありません. より簡単にプログ ラムが書けることでしょう.
DCLのしくみ 3
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