同期回転惑星 (Omega = 1 Earth, T21L16)

概要

dcpam5 において水惑星を同期回転 (日射分布が移動しない) 状態に置いた実験を行った. 自転角速度は地球の 1 倍, 解像度は T21L16 である.

実験環境

• システム: PC
  • /proc/cpuinfo の model name: Intel(R) Core(TM)2 Duo CPU E6750 @ 2.66GHz
  • OS: GNU Debian Linux 5.0
  • uname -a: Linux fermat 2.6.26-1-686-bigmem #1 SMP Fri Mar 13 18:52:29 UTC 2009 i686 GNU/Linux
• コンパイラ: Intel(R) Fortran Compiler for applications running on IA-32, Version 10.1 Build 20080312 Package ID: l_fc_p_10.1.015
• 依存するライブラリとバージョン
  • netCDF ver. 4.0
  • gtool5 ver. 20090324
  • ISPACK ver. 0.71
  • spmodel ver. 0.5.0

実験設定

• プログラム: dcpam5 ver. 20090428 (cvs)
  • ソースツリー
  • [tar.gz]
• NAMELIST ファイル: <URL:../arch_data/dcpam_ape_T21L16_sr_swamp_test.nml>
• 初期値
  • 東西風速: 15 × cos(φ) [m s-1]. (φ: 緯度)
  • 地表面気圧: 1.0e+5 [Pa].
  • 温度の基本場: 250 [K] に微小擾乱を与えた.
• 計算領域
  • 水平(λ,φ): 全球 (λ=[0, 360], φ=[-90, 90])
  • 鉛直(σ=p/p0): 大気下端〜上端 (σ = [0, 1])
• 境界条件
  • 水平(λ,φ) : 周期境界条件
  • 鉛直(σ) : dσ/dt = 0 (σ = 0, 1)
• 数値解法
  • 水平(λ,φ) : スペクトル法 (球面調和関数展開・三角形切断)
  • 鉛直(σ) : 差分法 (Arakawa and Suarez, 1983)
  • 時間(t) : リープフロッグスキーム.
    • ただし重力波の項にはセミインプリシット法を用いる. 時間フィルター (Asselin, 1972). を用いる. フィルター係数は 0.05
• 空間解像度
  • 経度格子点数 : 64 (5.6 度 x 5.6 度)
  • 緯度格子点数 : 32 (5.6 度 x 5.6 度)
  • 鉛直層数 : 16
• 最大波数: 21
• 積分時間: 2000 日
  • 最後の 1000 日を解析に使用
• 時間間隔: 8 分
• 惑星半径: 6.371e+6 [m]
• 自転角速度: 7.2921e-5 [s-1]
• 重力加速度: 9.8 [m s-2]
• 乾燥大気定圧比熱: 1004.6 [J K-1 kg-1]
• 乾燥大気平均分子量: 28.964e-3 [kg mol-1]
• 乾燥大気気体定数: 287.04 [J K-1 kg-1]
• 最大波数に対する e-folding time: 3.0 [hours]
• 超粘性の次数: 8
• 力学過程
  • プリミティブ方程式系
• 物理過程
  • 積雲パラメタリゼーション: 湿潤対流調節 (Manabe et al., 1965)
  • 大規模凝結
  • 放射
    • 経度 0 - 180 度に時間変化しない日射分布を与える
    • 大気による短波吸収: 1 バンド
    • 大気による長波吸収: 4 バンド
    • 短波を計算する時間ステップ: 8 分
    • 長波を計算する時間ステップ: 8 分
  • 地表面: SWAMP (熱容量: 0)

実行結果に関する付加情報

• 標準出力: <URL:../arch_data/dcpam_ape_T21L16_sr_swamp_test.log>

実験結果

地表面温度 10 日平均の動画	降水 10 日平均の動画	気温(sigma=0.5) 10 日平均の動画
東西風速(sigma=0.2) 10 日平均の動画
潜熱フラックス時系列 昼半球平均	潜熱フラックス時系列 夜半球平均	潜熱フラックス時系列 全球平均
OLR時系列 昼半球平均	OLR時系列 夜半球平均	OLR時系列 全球平均
降水時系列 昼半球平均	降水時系列 夜半球平均	降水時系列 全球平均
SLR時系列 昼半球平均	SLR時系列 夜半球平均	SLR時系列 全球平均
顕熱フラックス時系列 昼半球平均	顕熱フラックス時系列 夜半球平均	顕熱フラックス時系列 全球平均
地表面温度時系列 昼半球平均	地表面温度時系列 夜半球平均	地表面温度時系列 全球平均
熱フラックス時系列 昼半球平均 (実線:OLR, 破線:SLR, 点線:降水, 一点鎖線:潜熱, 二点線:顕熱)	熱フラックス時系列 夜半球平均 (実線:OLR, 破線:SLR, 点線:降水, 一点鎖線:潜熱, 二点線:顕熱)	熱フラックス時系列 全球平均 (実線:OLR, 破線:SLR, 点線:降水, 一点鎖線:潜熱, 二点線:顕熱)
地表面気圧時系列 昼半球平均	地表面気圧時系列 夜半球平均	地表面気圧時系列 全球平均
熱フラックス赤道断面 昼半球平均 (実線:OLR, 破線:SLR, 点線:降水, 一点鎖線:潜熱, 二点線:顕熱)	熱フラックス赤道断面 夜半球平均 (実線:OLR, 破線:SLR, 点線:降水, 一点鎖線:潜熱, 二点線:顕熱)	熱フラックス赤道断面 全球平均 (実線:OLR, 破線:SLR, 点線:降水, 一点鎖線:潜熱, 二点線:顕熱)
潜熱フラックス 時間平均	OLR 時間平均	降水 時間平均
SLR 時間平均	SSR 時間平均	顕熱フラックス 時間平均
地表面温度 時間平均	地表面気圧 時間平均
気温 経度 90 度断面	気温 経度 270 度断面	気温 帯状平均
比湿 経度 90 度断面	比湿 経度 270 度断面	比湿 帯状平均
東西風速 経度 90 度断面	東西風速 経度 270 度断面	東西風速 帯状平均
南北風速 経度 90 度断面	南北風速 経度 270 度断面	南北風速 帯状平均
気温 地表面	気温 赤道断面	比湿 地表面
鉛直流 赤道断面	熱フラックス赤道断面 時間平均 (実線:OLR, 破線:SLR, 点線:降水, 一点鎖線:潜熱, 二点線:顕熱)	東西風速 赤道断面
東西風速 sigma=0.5 断面	南北風速 sigma=0.2 断面	南北風速 sigma=0.5 断面
気温 sigma=0.7 断面	地表面熱収支 時間平均	地表面熱収支 1 点の時系列 (赤道, 経度 90 度)

参考文献

• Arakawa, A., Suarez, M.J., 1983: Vertical differencing of the primitive equations in sigma coordinates., Mon. Wea. Rev., 111, 34-45.
• Asselin, R., 1972: Frequency Filter for Time Integrations, Mon. Wea. Rev., 100, 487-490.
• Manabe, S., Smagorinsky, J., and Strickler, R. F., 1965: Simulated climatology of a general circulation model with a hydrologic cycle. Mon. Weather Rev., 93, 769-798.