放射MTGメモ(2013/05/15)
参加者
- 倉本圭、はしもとじょーじ、高橋芳幸、高橋康人、大西将徳
line-by-line 放射計算プログラムの修正・検証作業(大西)
- 1. 高橋(康)さんとのプログラムの検証
- 連続吸収なし、H2O 1本ラインでの計算
- 相対誤差 10^-5 程度で一致
- 2. LBLRTM との比較(吸収線一本での比較)
- 相対誤差 ( (onishi - LBLRTM)/LBLRTM ) の評価
- 計算条件
- 連続吸収なし
- 吸収線1本
- 吸収体: H2O (もっともドミナントな同位体)
- v: Vacuum wavenumber; 100.021385 [cm-1]
- S: Intensity;1.58E-20 [cm-1/(molecule cm-2)]
- g_air: Air-broadend half-width; 7.27E-02 [cm-1 atm-1]
- g_self: Self-broadend half-width; 0.439 [cm-1 atm-1]
- E: Lower-state energy; 8.83E+02 [cm-1]
- n_air: Temperature-dependence exponent for g_air; 0.56 [1]
- delta_air: Air pressure-induced line shift; 0.00 [cm-1 atm-1]
- 大気はUS standard atmosphere の最下層
- LBLRTM の計算手順
- 温度、圧力、体積混合比はTAPE5で直接入力
- 倍精度計算
- onishi 計算の手順
- 大気層の上下端の吸収係数を計算してから大気層を代表する吸収係数を計算(LBLRTM とは計算手順が異なる)
- 結果
- 相対誤差 ( (onishi - LBLRTM)/LBLRTM ) は、LBLRTM と同様の計算手順で計算したものと比較したときの誤差に、offset が付いたような傾向
- line 中心から低波数側は、line 中心から離れるほど増大
- 半値幅付近での誤差の大きさ
- line center: 100.0214 [cm-1] (Optical depth: 1067.3731)
- Harf width of air broadening: 0.0727 [cm-1]
- 誤差の大きさ;
- 99.95 [cm-1]: 0.029448172
- 100.094 [cm-1]: 0.025611763
- 半値幅に入る領域では、相対誤差の大きさは 3% 程度に収まっている
- 物質量の見積もり方(計算手順)がLBLRTM と onishi 計算では異なるので、計算する大気層が厚くなれば、両者の違いは大きくなる
- 3. US standard atmosphere での光学的厚さの計算
- 計算条件
- US standard atmosphere
- 線吸収はUS standard atmosphere で体積混合比が与えられている7分子+窒素
- 7分子: H2O, CO2, O3, N2O, CO, CH4, O2
- 連続吸収は無し
- 入力data
- 吸収線データ: HITRAN 2008(分子ごとのデータファイルを使う)
- HITRAN 2008 では吸収線をリストしたファイルが、全分子種一緒になったファイル(HITRAN2008.par)、分子ごとに別々のファイル(##_hit08.par)の2種類で提供されている
- HITRAN 2008 では42分子種のデータが提供されているが、HITRAN2008.parにはSF6, CIONO2, CF4 は含まれていない(分子ごとのファイルはある)
- 今回の計算で SF6, CIONO2, CF4 は扱わない
- US standard atmosphere: LBLRTM の中の45層のデータ
- 体積混合比はppmvでリストされているデータを使用する
- LBLRTM の中に掲載されたこのデータリストと、以前はしもとじょーじさんに頂いた US standard atmosphere のデータでは体積混合比が異なっている
- 吸収線データ: HITRAN 2008(分子ごとのデータファイルを使う)
- アルゴリズム
- 1. 分子ごとにそれぞれの大気層の上下端の吸収係数を計算する
- 2. 分子ごとのそれぞれの大気層中の吸収係数を計算する
- 3. 分子ごとのそれぞれの大気層の光学的厚さを計算する
- 4. それぞれの大気層の、全分子合わせた光学的厚さを計算する
- 計算結果と LBLRTM との比較
- LBLRTM との比較するために、onishi 計算と同じHITRAN dataをLBLRTM に参照させる必要
- HITRAN2008.par (全分子が一緒になった吸収線ファイル)をLBLRTM 用のデータに変換すると( lnfl を使ってLBLRTM 用の入力ファイルTAPE3を作る)、吸収線の数が減少(H2O, CO2, O3, CH4)
- H20: 69201 -> 67297
- CO2: 314919 -> 278876
- O3: 409686 -> 403976
- CH4: 290091 -> 234110
- lnfl プログラムの実行時メッセージによれば、vibrational state のものはLBLRTMでは扱えないため(?)にskipしている(?)
- HITRAN2008.par (全分子が一緒になった吸収線ファイル)をLBLRTM 用のデータに変換すると( lnfl を使ってLBLRTM 用の入力ファイルTAPE3を作る)、吸収線の数が減少(H2O, CO2, O3, CH4)
- 計算結果
- US standard atmosphere の最下層で比較
- 10 - 2700 [cm-1] の波数(波数分解能: 10 [cm-1])で比較
- 波数領域全体に、相対誤差 (onishi - LBLRTM) /LBLRTM は 0.5 程度
- onishi 計算が何かうまくいっていない可能性
- 分子ごとの光学的厚さを比べてみる(吸収線が間引かれている影響?)
- 計算条件、LBLRTM のTAPE6など再確認する
- LBLRTM の計算手順で計算してみる(吸収係数の計算が問題なのか、物質量の計算が問題なのか)
- LBLRTM との比較するために、onishi 計算と同じHITRAN dataをLBLRTM に参照させる必要
- 計算条件
- mtg 資料
- To Do
- 光学的厚さの計算の確認
木星大気の計算(高橋康)
- line-by-line プログラムの検証
- H2O の1本のラインでの吸収係数計算は onishi 計算とよい一致
- H2O の複数のラインの場合も onishi 計算と検証する
- US standard atmosphere の最下層下段の温度、圧力、体積混合比にて吸収係数を計算する
- 放射計算
- 吸収係数は8つの圧力であらかじめline-by-line 法で計算された吸収係数から内挿する
- 吸収係数の計算時には圧力の他に、温度・体積混合比を与えているが、体積混合比はself/foreign broadening の寄与によっては、与えずに計算コストを下げられるかもしれない
- 波数解像度: 0.01 [cm-1]
- 太陽放射導入
- 過去の計算からのずれを検証中
- 吸収係数は8つの圧力であらかじめline-by-line 法で計算された吸収係数から内挿する
- 成層圏での雲水量の見積もり
- 0.1 - 0.33 [bar] (温度逆転 - 圏界面)での雲水量を見積もり
- どういう方向に持っていきたいかを整理
次回の日程
- 2013/05/21(火) 11:00ごろから (13:00には終了) @連合大会会場付近
- 昼食をとりながら近況報告の予定
- 集合場所などは追って大西より連絡します
- 2013/05/27(月) 9:00- (通常通りのテレビ会議)