放射MTGメモ(2015/08/11)
参加者
- 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳
系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)
- 圧力が大きくなるほど, トータルの吸収断面積が小さくなることについて
- 波数解像度を変えて吸収断面積の計算を行った(温度: 200K, H2O 体積混合比: 1e-10, 圧力: 1e+0, 1e+1, 1e+2, 1e+3 Pa)
- 0.0001 cm-1 の解像度で計算すると, 圧力を変えても平均吸収断面積は変わらない
- 吸収断面積が圧力に依存するように見えていたのは, 波数分解能が十分でなく, 吸収断面積の総和が正確に計算できていなかったためと分かった.
- 圧力と必要な波数分解能に関する検討
- 半値幅は, 1e+3 Pa (200K) で, 1e-3 cm-1 程度.
- 1cm-1 あたりのラインの本数は, 10 本程度. (H2O の吸収線: 30000cm-1 に 1e+5 本程度)
- 1e+3 Pa の場合, 1cm-1 あたり, ラインがあるのは 1e-2 cm-1 程度の範囲. よって, 0.01cm-1 程度の波数解像度は必要.
- 1e+4, 1e+5 Pa についても同様の確認をしてみる.
- 一番強い吸収線でも光学厚さが 1 になるのは対流圏. 成層圏は十分に光学的に薄い(地表面温度320K, 100K 等温成層圏の場合).
- 対空間冷却近似の見積もりを波数解像度考慮して見積もりなおす.
- 成層圏温度が低温になった場合の放射計算の妥当性について
- 一次散乱アルベド SSA が 1 に近い場合の計算アルゴリズムを変えて検討(地表面温度 320K, 100K 等温成層圏プロファイル)
- SSA が 1 に近い場合に, 吸収を過大に与えて計算しても, 惑星冷却の立ち上がりはほとんど変わらなかった.
- 地表面温度 320K で, 140K 等温成層圏プロファイルの場合にも, 100K 成層圏の場合と同様の冷却率一定となるバンドがあることを確認
- 成層圏の温度が違うのに冷却率がほぼ同じになるのはおかしい.
- 散乱をなしにして計算すると, 惑星冷却の立ち上がりはなくなった. (地表面温度 320K, 100K 等温成層圏プロファイル)
- 散乱がない場合, 成層圏の光学厚さが小さくなり, 一層あたりの光学的厚さが 1e-10 以下になるため, 放射コードの計算時に加熱率が 0 になることが原因.
- 正味上向きフラックスの鉛直差分の確認
- 加熱率の計算時に正味上向きフラックスの鉛直差分を計算している. 正味上向きフラックスに対して, 鉛直差分は 10 桁程度小さくなっている(1915cm-1 成層圏).
- 計算コードでこのような計算が保障されるか確認する必要ある.
- 一次散乱アルベド SSA が 1 に近い場合の計算アルゴリズムを変えて検討(地表面温度 320K, 100K 等温成層圏プロファイル)
- mtg 資料
木星大気の放射計算(高橋康)
- 杉山さんとのミーティング
- モデルの現状や今後の方針などを相談した.
- 杉山モデルの拡散係数の問題が解決出来次第, 高橋モデルに結果を導入して雲対流計算を行う予定.
- 放射計算
- バンドモデルの解像度による精度確認
- 10000cm-1 までを, 1cm-1 刻みから 0.01cm-1 刻みに変更して放射対流平衡計算しても, OLR の違いは 0.2 % 未満.
- 湿潤断熱計算
- 計算バグを確認.
- 1 ミクロンのアルベド
- 観測との違いについて検討中.
- 吸収係数テーブルも確認する.
- 雲粒の複素屈折率変えた計算
- 現在は pure ice の計算.
- いずれ複素屈折率変えた計算をしたい.
- pure ice だけでも, 粒径分布の問題など, やることはあるのでは?
- 吸収係数のテーブル化による精度低下の確認
- LBL 計算との比較をいずれ行いたい.
- バンドモデルの解像度による精度確認
- 論文
- ApJL 投稿に向けて執筆中
次回の日程
- 8/20 (火) 15:00-
- GFD セミナー後, 北大で行う予定.