放射MTGメモ(2015/08/31)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 成層圏温度が低温になった場合の放射計算の妥当性について
    • Toon et al., 1989 では2つの放射伝達計算の方法が記されている
      • 2 流近似法
        • 一次散乱アルベドが大きい方が正確に計算できる
        • DCPAM では短波計算モジュールに使われている
      • 放射源関数法
        • 一次散乱アルベドが小さい方が正確に計算できる
        • DCPAM では長波計算モジュールに使われている
    • H2O 混合大気の放射対流平衡計算の場合, 上空で一次散乱アルベドが1に近くなるにもかかわらず, 惑星放射の計算に放射源関数法を用いたため, 上空でおかしな加熱率プロファイルが得られたと考えられる.
      • 一次散乱アルベドが大きい上空では, 2流近似法を使う方がよい
      • 一次散乱アルベドが小さい場合にも2流近似法の誤差は 10% 程度
      • H2O 混合大気の放射対流平衡計算の場合, 惑星放射に対しても放射源関数法ではなく, 2流近似法を用いて計算するのが良いと思われる.
      • 今回の問題 (一次散乱アルベドが1に近い + 光学的に非常に薄い) の場合, 放射源関数法で原理的に計算できない理由はあるのか? 近似の問題ではないのでは?
      • まずは, 惑星放射に対しても 2 流近似法を用いて放射対流平衡計算を進める.
  • mtg 資料

木星大気の放射計算(高橋康)

  • 湿潤断熱減率の計算
    • オイラー法, ルンゲクッタ法, 相対温位保存の方法で計算して比較
    • ルンゲクッタ法, 相対温位保存の方法の違いは圏界面で 0.1 K. オイラー法は 2 K ずれてしまう.
    • 精度よい計算を行えばよい.
  • CH4 の 1 micron の吸収
    • Giver 1978 には, band intensity のテーブルがある.
    • 図に描かれた他の吸収線のスペクトルと HITRAN データを比較することで, 1 micron の吸収線を計算するためのパラメータを適当に作ることはできないか.
  • アルベドの比較
    • Karkoschka 1994 では Geometric albedo のデータが記載されている.
    • 2 流近似計算では方位角情報が消えてしまっているが, どのようにアルベドを比較したらよいか.
    • 2 流近似計算時に仮定した散乱の角度依存性をもとに考えればよい.
    • Geometric albedo について確認
  • 太陽天頂角について
    • 今の計算では, (木星における太陽定数) × 1/2 (昼面だけ) × 1/2 (天頂角 60 度) を, 入射光として与えている.
    • これだと, 太陽放射が小さすぎないか?
    • アルベドを考えるだけなら, 入射光の大きさは関係ない.

次回の日程

  • 9/7 (月) 9:00-