放射MTGメモ(2015/09/14)
参加者
- 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳
系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)
- 対空間冷却近似による成層圏温度の見積もり
- 対空間冷却近似による見積もりに必要な波数解像度の検討
- HITRAN データベースの吸収線強度の波数積分と, 離散的な吸収スペクトルの和の比較を行った.
- 圧力が低いほど吸収線は細くなるため, 圧力が低いほど細かい波数分解能で計算することが求められる.
- 0.0001 cm-1 まで細かく計算すれば, 1 Pa 程度の低圧でも HITRAN データベースの吸収線強度の波数積分値を再現する.
- 圧力が大きくなると連続吸収の影響が現れる(1e4 Pa 以上)
- 上空の温度を見積もるためには, 吸収断面積は少なくとも 0.001 cm-1 以上の波数分解能が必要
- OLR は射出される高度の圧力によって, 必要な波数分解能を見積もることができる.
- OLR の計算に必要な波数解像度の検討
- 地表面温度が 320K, 360K の場合の検討を行った.
- 地表面温度が 320K の場合には, 最も光学的に厚い波数が光学的に 1 になる高度は 1500Pa 付近 (100K 等温成層圏仮定)
- OLR が 1500 Pa より深いところから射出するとした場合, 必要な波数分解能は 0.01 cm-1 以上.
- 地表面温度が 360K の場合には, 最も光学的に厚い波数が光学的に 1 になる高度は, 2 Pa 付近 (120, 130, 140 K 等温成層圏仮定)
- OLR が 2 Pa より深いところから射出するとした場合, 必要な波数分解能は 0.001 cm-1 以上.
- 対空間冷却による成層圏温度の見積もり
- 地表面温度 320K の場合
- 吸収断面積の波数解像度: 0.0001 cm-1
- OLR の波数解像度: 0.01 cm-1 (100K 等温成層圏 or 140K 等温成層圏)
- 成層圏の温度は 120K 程度と推定
- 地表面温度 360K の場合
- OLR の波数解像度を 0.001 cm-1 にしてテスト計算(0 - 340cm-1)
- 成層圏温度は, 110K - 120K 程度になりそうである.
- 地表面温度 320K の場合
- 議論, コメントなど
- OLR の輝度温度と成層圏の温度は整合的なのか: OLR の輝度温度を確認する
- 地表面温度が 360K の場合には対空間冷却が成り立たず, 高温成層圏になることが期待される. 等温成層圏を仮定して加熱冷却率を計算して推定する
- 対空間冷却近似による見積もりに必要な波数解像度の検討
- mtg 資料
木星大気の放射計算(高橋康)
- 対流圏界面の決定
- 湿潤断熱減率を導入してから対流圏界面の位置が決まらなくなった: 平衡計算を続けても冷却率がなかなか落ち着かない
- 湿潤断熱プロファイルの計算がおかしい?
- 1 ミクロンの CH4 吸収
- この吸収がないため, 高橋康計算ではアルベド高い.
- ExoMol のデータベースにあるが, 読み方がわからない
- Appleby & Hogan では, この吸収は重要だといっている.
- ExoMol のデータと, HITRAN の別の波長のデータを使って適当に吸収を見積もれないか.
- 水素のラマン散乱がアルベドに重要という研究もある.
- Spectral Energy Density の比較
- 先行研究と比較する際, 単位変換がうまくいっていない: 倉本先生とミーティング後に確認
- アルベド比較
- 散乱位相関数を確認して, 太陽入射方向へのアルベドを計算する
次回の日程
- 9/17 (木) 夜 @ 穂別 (フロンティアセミナー)
- 9/28 (月) 9:00-