放射MTGメモ(2016/08/03)
参加者
- 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳
系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)
- 放射源関数法モジュールを用いた場合の問題と解決
- 放射源関数の定式化の確認
- Toon et al. 1989 の放射源関数法について, 正味上向き放射の鉛直差分 (F+_下端 − F-_下端 − (F+_上端 − F-_上端) ) を書き下した.
- 条件: 大気1層, 非対称因子 g = 0, 地表面アルベド = 0, 大気層上端からの放射 = 0.
- 正味上向き放射の鉛直差分は, 地表面温度によらない値となる. (上端の温度には依存する)
- Toon et al. 1989 の放射源関数法について, 正味上向き放射の鉛直差分 (F+_下端 − F-_下端 − (F+_上端 − F-_上端) ) を書き下した.
- 放射モジュールの出力と解析解との比較
- 上記で書き下した正味上向き放射の鉛直差分の解析解と放射モジュールの計算結果を比較した.
- 等温大気の場合, 放射モジュールは, 吸収が大きいほど (tau*(1-SSA) が大きいほど), 正確に計算できる.
- 非等温大気の場合, 等温よりも計算精度は悪くなる.
- 上記で書き下した正味上向き放射の鉛直差分の解析解と放射モジュールの計算結果を比較した.
- 結果から考えられること
- 吸収が小さい時には, 桁落ちを起こしている可能性が考えられる.
- 放射源関数の定式化の確認
- mtg 資料
木星大気の放射計算 (高橋康)
- 日射を吸収する深部ガスの導入について
- 1 ミクロンより短い波長では, 1bar 面より下層まで日射が届いている.
- 1 bar より下層で, 日射を吸収するガスをモデルに導入したい.
- 主要なガス吸収
- CH4: 1ミクロンより短波長の吸収の寄与はほとんどない (Appleby and Hogan 1984 他)
- H2O: 深部凝結のためほとんど効かない.
- HITRAN で主要なものはほぼカバーされている.
- NH3: HITRAN では 7000cm-1 まで
- より短波長も導入する必要あり
- Yurchenko 2011 を導入したい.
- pressure broadening の半値幅をどのように与えたらよいかわからない.
- Yurchenko 2011 を導入したい.
- より短波長も導入する必要あり
- 議論, コメントなど
- ガスよりも放射への寄与の大きいヘイズの扱いの方が先決ではないか.
- 最近の先行研究では, ヘイズについてあまり触れずに, ガスの吸収で放射収支を説明しようとしているものが複数ある.
- 雲 (ヘイズ) 構造の制約について
- Simon-Miller et al., 2001 では, Galileo のデータをもとに, 3 層のヘイズモデルを与えている.
- この論文を確認し, モデル構築において, ヘイズ構造についてどのような制約が与えられているのかを考えるひとつの指標としたい.
- mtg 資料
次回の日程
- 8/10 (水) 9:00-