放射MTGメモ(2016/10/05)

参加者

  • 倉本圭, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 放射源関数法モジュールを用いた場合の問題と解決
    • Toon et al. (1989) の Two-Stream Source Function 法の式の確認.
      • Toon et al. (1989) の挙げた条件で導出できた.
        • ドキュメントを残しておく
    • 前回報告した 2 層モデルの下向き放射の天頂角依存性について.
      • 放射源関数の強度が天頂角に寄らない場合, cos a が小さくなると, 大気層の積分で幾何的な距離が大きくなるために, 放射が大きくなる.
    • 放射源関数の与え方が問題.
      • 不自然な値が生じる場合, Two-Stream 法による放射源関数の大きさと, Source Function 法による放射強度が大きく異なる.
      • Source Function 法で計算された放射を放射源関数として与えると, 不自然な加熱率が解消された.
        • 2 層モデル. 不自然な値を生じるある条件での計算による.
        • Toon の Source Function 法では, 必ず加熱になる系で冷却になっていたが, 今回の計算では加熱となった.
      • 散乱が大きくなるような条件の場合に, 下向き放射がうまく計算できなかったことが問題.
    • 対処法
      • 放射源関数と放射強度が整合的になるようにイタレーションして放射強度を計算する.
  • mtg 資料

木星大気モデルの開発 (高橋康)

  • CH4 吸収
    • Karkoschka and Tomasko 2010 (KT2010) data
      • OCR 読み取りは断念.
        • OCR だと 1 と 7 をよく間違える.
      • 問い合わせメールを作成中.
      • 他の手段も平行して進める.
    • Irwin archive data
      • KT2010 に基づいたk 分布法計算データ
        • 一部を抜粋すると KT2010 と同じ内容
        • ほとんど一致しているが一部異なる?
      • 適用温度範囲
        • Irwin のデータは 300K までとある.
        • 700K で計算すると, IR でのがたつきが大きくなる.
        • 高温での外挿は無理があるかもしれない.
      • HITRAN2012 との比較.
        • 1micron 付近では, HITRAN に比べ吸収係数が大きくなる.
          • KT2010 でもホイヘンスプローブによるタイタンの観測から強くなること示唆
          • HITRAN2012 では上記の点に触れているが, タイタン観測の制度の問題から採用していないとある.
    • Irwin arcive data 用いた放射計算
      • アルベドスペクトル
        • Irwin を導入することで CH4 ガスの吸収が見えるようになり, 観測スペクトルに近づいた.
        • 0.5 micron より低波数では, 観測より大, 高波数では観測よりも小.
          • 観測は geometric albedo. 計算結果は, geometric albedo になっているのか?
          • geometric albedo の計算方法を確認する.
      • 熱収支への影響
        • ネットフラックス
          • わずかに吸収が強まっているが大きな影響はない.
        • 加熱率
          • 上端で強い加熱
          • 圏界面以下への影響はないように見える
  • 今後の方針
    • CH4 吸収モデルの導入の改善
      • 適用温度範囲の確認
      • 吸収係数の圧力依存性をどう与えるか
      • KT2010 とのデータの相違の原因は何か, どちら用いるべきか
    • ヘイズ
      • 紫外でのスロープ, CH4 吸収の深さ, ボンドアルベドの 3 つの観測量を指標として与える.
    • ラマン散乱
  • mtg 資料

次回の日程

  • 10/12 (水) 9:00-