付録C     CloudB の導出

質量266#266をもつ雲粒がまわりの大気の拡散によって成長する過程を考える. 拡散による雲粒の成長は

267#267     (C.1)

で表される. 268#268は雲粒の中心からの距離, 78#78は大気の分子拡散係数である. 大気の状態は定常かつ等方であると仮定してこの式を268#268について解くと
269#269     (C.2)

となる. ただし, 境界条件として270#270 271#271, 272#272 273#273を用いた. ここで理想気体の状態方程式 274#274を代入すると
275#275     (C.3)

となる. この式の両辺を 276#276で割ると
277#277 30#30 278#278  
  30#30 279#279 (C.4)

となる. ただし, 最後の変形には 280#280を用いた.

凝結が起きた時潜熱が解放される. この潜熱が熱伝導によって輸送されると仮定すると

281#281     (C.5)

が成り立つ. ここで122#122は大気の熱拡散係数である. 大気密度の拡散方程式と同様にこの式を解くと
282#282     (C.6)

となる. ただし, 境界条件として270#270 283#283, 272#272 284#284を用いた. ここでクラウジウス-クラペイロンの式
285#285      

を積分すると
286#286 30#30 287#287  
  288#288 289#289 (C.7)

となる. よって
290#290 30#30 291#291  
  288#288 292#292  
  288#288 293#293 (C.8)

となる. 最後の変形には式潜熱の時間変化を用いた.

式雲粒質量の時間変化, 飽和蒸気圧比の式より

294#294 30#30 295#295 (C.9)

となる. この式を整理すると
296#296     (C.10)

となる. ここで
297#297 30#30 298#298  
116#116 30#30 299#299  
118#118 30#30 300#300  

とおくと
301#301     (C.11)

となる. 302#302, 113#113はそれぞれ質量輸送, 熱輸送に関係する係数である. 114#114は飽和比である.

単位体積当たりの雲粒の個数を303#303とし, 雲粒の大きさが全て同じであると仮定 すれば単位体積当たりの凝結量69#69

304#304     (C.12)

で与えられる. 火星極冠周縁での温度・圧力条件を想定すると, 305#305 である. 従って
306#306     (C.13)

となる.

Yamashita Tatsuya 2011-12-15