Debian でのソフトウェアインストール方法
Debian GNU/Linux ではソフトウェアをインストールする方法として
主に 4 通り存在する.
- apt-get を用いる.
- dselect を用いる.
- dpkg を用いる.
- make を用いる.
Debian 用のソフトウェア(パッケージと呼ぶ)は
.deb 形式のファイルで配布される. また UNIX
系のソフトウェアは一般的に .tar.gz 形式のファ
イルで配布されるが, Debian でも用いることができる.
dselect, apt-get, dpkg は deb 形式のソフトウェアをインストールする際
に用いる. また make は tar.gz 形式のソフトウェアをインストールする際
に用いる. しかし dselect は気をつけないと自分が意図しないパッケージま
で upgrade されてしまうので, ある程度構築された状態になっている場合は
あまりお勧めしない(apt-get upgrade も同様).
1.1. apt とは
apt はパッケージのアップグレード/インストールプログラムである. このプ
ログラムを使うと非常に簡単にパッケージをアップグレードしたりインストー
ルすることができる.インストールしようとするパッケージが他のパッケージ
に依存する場合, apt は依存関係にある全てのパッケージをインストールして
くれる.
dselect との違いはパッケージ一覧が見えるかどうかである. dselect はパッ
ケージの一覧からインストールするパッケージを選べるが,apt はインストー
ルするパッケージ名を自分が知っていて, 手で書かねばならない.そのため
apt はパッケージを追加する場合に使うのが良いだろう.apt-get の詳細な使
い方は man apt-get を参照のこと.
設定ファイルは /etc/apt/sources.list である. このファイルにパッケージ
の取得先を書く. 次の例は地球流体電脳倶楽部からパッケージを入手する場合
である.
# vi /etc/apt/sources.list
と入力して以下のように編集する.
deb http://dennou-h.ees.hokudai.ac.jp/arch-large1/cc-env/Linux/debian/ dists/potato-proposed-updates/
deb http://dennou-h.ees.hokudai.ac.jp/arch-large1/cc-env/Linux/debian/ potato main contrib non-free
deb http://dennou-h.ees.hokudai.ac.jp/arch-large1/cc-env/Linux/debian-jp/ potato-jp main non-free contrib
deb http://dennou-h.ees.hokudai.ac.jp/arch-large1/cc-env/Linux/debian-non-US/ potato non-US/main non-US/contrib non-US/non-free
deb http://security.debian.org/ potato/updates main contrib non-free
1.2. 使い方
1.2.1. アップデート
サイトに存在するパッケージの一覧を取得する. アップグレードやインストー
ルを行なう際に実行する必要がある.
# apt-get update
1.2.2. パッケージをインストールする時
パッケージ名を陽に指定する. 依存関係にあるパッケージも全てインストール
してくれる.
# apt-get install hogehoge.deb(パッケージ名)
1.2.3. アップグレード
Debian のバージョンをアップグレード(例えば hamm → slink)する場合, 以
下のコマンドを打ち込むことで簡単に実行される.
# apt-get upgrade
dselect はパッケージのインストールプログラムである. パッケージの一覧
表(かなりの数である)の中から, インストールしたいパッケージを選ぶ.
dselect の詳細な使い方は man dpkg や dpkg --help を参照のこと.
このドキュメントではネットワーク経由で地球流体電脳倶楽部(Debian のミラー
サイトの内,北大理学部からネットワーク的に一番近い) からパッケージを入
手し,インストールするやり方を述べる.
2.1 使い方 (ftp を使う)
# dselect
を実行して dselect を起動する.
- [A]ccess
"ftp" を選択する.
以下設定する箇所のみを書く.
コロンのあとに何も書かれていない場合は
リターンを押したことを意味する.
- Enter ftp site []:
dennou-h.ees.hokudai.ac.jp
- Use passive mode [y]:
- Enter username [anonymous]:
- Enter password [sugiyama@gfd-dennou.org]:
自分のメールアドレスを書く
- Enter debian directory [/pub/]:
/arch-large1/cc-env/Linux/debian-jp
- Go through an authenticated FTP proxy [n]:
- Enter space seperated list of distributions to get[]:
dists/potato/main dists/potato/non-free dists/potato/contrib dists/potato-jp/main dists/potato-jp/contrib dists/potato-jp/non-free (スペースで区切る)
- Enter directory to download binary package files to
(relative to /var/lib/dpkg/methods/ftp/)
[debian]:
- [U]pdate
リターンを押す
- [S]elect
必要とするパッケージを選択する.
インストールするものは "+" を押す.
削除したいものは "-" を押す.
- [I]nstall
インストールが完了するまでひたすら待つ.
コンフィギュレーションに関しては,
コンフィギュレーションの答え方
を参照のこと.
- [C]onfig
うまくコンフィグされなかったパッケージを
もう一度コンフィグし直す.
- [R]emove
- 削除するように選択されていたパッケージが実際に削除される.
- [Q]uit
おしまい
2.2 使い方 (apt を使う)
# dselect
を実行する.
- [A]ccess
"apt" を選択する.
パッケージ取得先として /etc/apt/source.list に書かれたもので
変更が無いか聞いてくるので, N
を選択する. 但し前もって /etc/apt/source.list を
apt-get の使い方 に従って
変更しておく必要がある.
- [U]pdate
- [S]elect
- [I]nstall
- [C]onfig
あとは 2.1 と同様である.
3. dpkg を用いる場合
自分のハードディスクに存在する Debian
パッケージをインストール場合 dpkg を用いる.
またパッケージをアンインストールする場合も dpkg を用いる.
3.1 使い方
- パッケージのインストール
- # dpkg --install hogehoge.deb
- パッケージのアンインストール
- 設定ファイルを残しておく場合
# dpkg --remove hogehoge
- 設定ファイルも全て消去する場合
# dpkg --purge hogehoge
- インストールされたパッケージの一覧を見る
$ dpkg --list
4. make する場合
tar.gz の形式のソフトウェアをインストールする場合, make を用いる.
この形式のソフトウェアは圧縮されているので,
tar もしくは gzip 等で解凍する必要がある.
解凍すると, ディレクトリ構造を持ったファイル群が作られる.
その中に必ず README や INSTALL といったインストール方法の
書かれたファイルが存在する. それらを参考にしてインストールを行う.