(A.4) 式中の放射加熱 (冷却) 項 は
放射伝達方程式を解いて得られる放射フラックスの収束 (発散) により計算される.
考慮する放射過程は火星大気の主成分である
CO2 による赤外放射の吸収・射出と近赤外波長域での太陽放射吸収,
ダストによる太陽放射と赤外放射の吸収, 散乱, 射出である.
CO2 による散乱は考慮しない.
CO2 の赤外放射は地表付近の主要な放射加熱 (冷却) 源である
(例えば Savijärvi, 1991b).
成層圏の温度分布は CO2
による近赤外波長域での太陽放射吸収による加熱と
CO2 の赤外放射冷却とのつりあいで決められる
(Gierasch and Goody, 1967).
ダストの赤外放射は夜間の放射冷却の計算において無視することができない.
したがって放射加熱項 は以下のように表される.
|
(A.22) |
ここで
はそれぞれ CO2 赤外放射加熱,
CO2 近赤外放射加熱, ダストの太陽放射加熱,
ダストの赤外放射加熱を表す. 以下にそれぞれの扱いと計算方法を示す.
- CO2 の放射
- CO2 放射のバンドパラメータ
- ダストの放射
- ダストの光学的厚さ
- ダストの光学パラメータ
- 太陽放射フラックスと天頂角パラメータ
|