地球流体電脳倶楽部
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現象カタログ参照編 /
木星概観
目次
- 木星に関する基本的な数字
- 天文学に関する数字
- 大気科学に関する数字
- 練習問題
- 木星の探査 ,
- パイオニア10号, 11号
- 図1.
パイオニア10号, 11号 ( Hall 1974, 1975 )
- ボイジャー計画
- 図2.
パイオニア, ボイジャー探査機の行程
( Moore and Hunt 1983 )
- 図3.
ボイジャー探査機 ( Moore and Hunt 1983 )
- ガリレオ計画
- 図4.
ガリレオ探査機の行程 ( Carroll 1987 )
- 図5.
ガリレオ探査機 ( Hunten et al., 1986 )
- 探査機一覧
- 木星に関する用語
- 木星に関する用語
- 木星の地図
- 図1.
木星の地図 ( Moore and Hunt 1983 )
- 木星大気の鉛直構造
- 木星大気の鉛直構造概観
- 図1.
木星大気の模式的な温度鉛直分布.
雲層の存在が予想される高さを記してある
( Hunt 1983 ).
- 図2.
ボイジャー探査機の観測による温度の鉛直分布.
図中 IRIS は赤外放射観測,
INGRESS, EGRESS は Occultation から得られた
温度分布を表す
( Lindal et al. 1981 ).
- 上層の温度鉛直分布と組成の鉛直分布
- 図3.
木星上層大気(1bar以下)の温度および組成鉛直分布
( Atreya et al. 1981 ).
- 場所による温度鉛直分布の違い
- 図4.
木星大気の緯度別温度鉛直分布
( Hanel et al. 1979 ).
- 図5.
木星のZoneとBeltならびに大赤斑(GRS)とその周囲の温度差.
観測された Zone の位置は 20N (North Equatorial Zone),
Belt は 15N ( North Equatiral Belt ) である
( Conrath et al. 1981 ).
- 木星表層大気の鉛直温度構造概観
- 木星大気の水平構造
- ボイジャーの可視画像
- 図1.
ボイジャー探査機から得られた木星の可視画像.
( Smith et al. 1979 ).
(a) はボイジャー1号 ( rotation 65 : 1979年2月1日) ,
(b) はボイジャー2号 ( rotation 349 : 1979年5月23日)
による.
- 水平温度構造
- 図2.
ボイジャー2号の赤外放射観測から得られた
波数 226 cm^{-1} の輝度温度の水平分布.
高度約 800 mb の温度を表していると考えられる.
( Hanel et al. 1979 )
- 図3.
ボイジャー2号の赤外放射観測から得られた
波数 602 cm^{-1}$ の輝度温度分布.
高度約 150 mb の温度を表していると考えられる.
( Hanel et al. 1979 )
- 図4.
ボイジャー1号の赤外放射観測から得られた
波数 602 cm^{-1}$ の輝度温度分布.
高度約 150 mb の温度を表していると考えられる.
図3 の約 4ヵ月前にあたる.
( Hanel et al. 1979 )
- 図5.
ボイジャーの赤外放射観測から得られた帯状平均温度分布.
上はボイジャー1号 ( 1979年3月 ) ,
下はボイジャー2号 ( 1979年7月 ) のデータである
( Flassr 1986 ).
- 風速分布
- 図6.
ボイジャー画像の雲の動きから得られた
平均帯状流の緯度分布.
左側のグラフは1979年2月末 ( ボイジャー1号 ),
右側のグラフは1979年7月初め ( ボイジャー2号 )
の画像による.
両グラフの相関係数は 0.986 である.
( Ingersoll et al. 1981 )
- 図7.
ボイジャー画像の雲の動きから得られた平均風速分布.
画像は rotation 357 のものである.
I は相対的な輝度分布,
N はベクトル ( データ ) の数である.
( Limaye et al. 1982 )
- 表1.
過去の観測によるジェットの位置とボイジャー画像による
ジェットの位置の比較 .
1 は1898〜1948, 2 は 1946〜1964,
3 は 1962〜1970の観測結果による.
4 と風速の値はボイジャーの結果による.
( Ingersoll et al. 1981 )
- 木星大気の子午面構造
- 子午面温度構造
- 図1.
ボイジャー1号の赤外放射観測から得られた
木星の平均子午面温度構造.
ボイジャー木星最接近の 2 日前と
2 日後のデータを合成した
( Hanel et al. 1979 ).
- 図2.
子午面温度差の分布
( Pirraglia et al. 1981 )
- 図3.
温度風バランスによる風速の見積り
( Pirraglia et al. 1981 )
- 木星大気の放射エネルギー収支
- 全球放射収支
- 図1.
木星の太陽放射, 赤外放射.
200〜2300 cm^{-1} の曲線は
ボイジャーの撮影した5枚の写真から得られた
木星からの赤外放射である.
230 cm^{-1} 以下の部分はモデル計算の結果による.
3000 cm^-1 以上の波長帯での上側の曲線は
木星への入射太陽放射である.
下側の曲線は反射太陽放射であり,
入射太陽放射とアルベドの値0.343から計算した.
反射太陽放射の詳細な構造は地球からの地上観測による
( Hanel et al, 1981 ).
- 表1.
木星大気の放射エネルギー収支に関する基本的な数字
( Hanel et al. 1981 ).
- 放射フラックスの緯度分布
- 図2.
ボイジャー1号による赤外放射, 反射太陽放射の
相対強度の緯度分布.
赤道面上側 2 度 より観測した.
太陽の位置は赤道上側 0.5 度 である.
赤外放射は波数200〜2300 cm^{-1}の平均であり,
1.23・10^{-4} W cm^{-2} st^{-1} で
スケーリングしてある.
反射太陽放射は波長0.3〜2.0 μmの平均であり,
10.14・10^{-4} W cm^{-2} st^{-1} で
スケーリングしてある.
観測視角, 反射角の影響は考慮していない
( Pirraglia 1984 ).
- 図3.
木星大気の緯度別放射収支.
図2 について観測角, 反射角の効果を考慮して修正した.
`Internal' は `Thermal' と `Absorbed' の差である
( Pirraglia 1984 ).
- 木星の内部構造
Hubbard and Marley, 1989 の
木星内部構造モデルを紹介する.
- 木星の内部構造の推定法
- 表1.
内部構造推定に用いる制約条件
(Hubbard and Marley, 1989)
- モデルの計算結果〜密度と圧力の関係
- 図1.
木星内部の圧力-密度分布 (太い実線).
ヘリウム-水素質量比 Y=0.25 の断熱線にしたがっている.
2本の細い実線は J_4 を誤差の値だけ小さくしたときの
結果である.
J_4 を誤差の値だけ大きくしたときは
解が収束しなかった.
破線は Y=0.18 (上側)と Y=0.27 (下側)である.
点線はそのレベルの下側にある質量である.
対数の底は以下全て10である.
三角形は純粋なH_2 の室温における実験結果を表す.
短い横線は純粋な D_2 での衝撃高圧実験の結果である.
(Hubbard and Marley, 1989)
- モデルの計算結果〜密度分布
- 図2.
木星の内部の密度分布.
横軸 β は中心からの相対的な距離を表す.
J,S,U はそれぞれ木星, 土星, 天王星の
内部密度分布である.
(Hubbard and Marley, 1989)
- 参考 : 水素の相転移曲線
- 図3.
水素の相転移曲線.
J,S,U はそれぞれ木星, 土星, 天王星内部での
断熱線である.
点線ははっきりしない相境界線を表す.
金属-分子水素間の相境界は2通り示してある.
また黒い三角形は衝撃により高圧にしたときの実験結果,
白い三角形は純粋なH_2の
室温における実験結果を表す.
(Hubbard and Marley, 1989)
- 木星大赤斑(The Great Red Spot)
木星大赤斑の構造について
ボイジャーの観測を中心にして概観する.
- 大赤斑に関する数字
- 大赤斑の温度構造
- 図1.
大赤斑の温度構造. 左図は東西断面,
右図は南北断面での平均温度分布からの差を図示してある
( Flaser et al. 1981 ).
- 図2.
異なる波長帯での大赤斑の輝度温度分布.
上図は波長581-619cm^{-1},
下図は波長2001-2050cm^{-1}の
平均輝度温度分布である.
( Flaser et al. 1981 ).
- 図3.
可視画像と放射強度分布 ( Flaser et al. 1981 ).
上図 : 602cm^{-1}の輝度温度分布.
150mb の温度分布に対応する.
中図 : 226cm^{-1}の輝度温度分布.
雲がないときには800mbの温度分布に対応する.
実際には雲があるので 500mb 以下の高さを
反映していると考えられる.
下図 : 相対的な太陽反射(5000〜25000cm^{-1}$)の強度
- 大赤斑の風分布
- 図4.
ボイジャー1号による大赤斑の写真と風分布
( Mitchell et al. 1981 ).
- 図5.
大赤斑の接線方向風速分布.
a は大赤斑中心からの距離, V_T は接線方向の風速である.
( Mitchell et al. 1981 ).
- 図6.
大赤斑の相対渦度分布.
a は大赤斑中心からの距離, \zeta は相対渦度である.
( Mitchell et al. 1981 ).
- 図7.
温度風バランスから計算された大赤斑の風速分布.
左図は東西断面での南北流分布である(北向きの流れが正).
右図は南北断面での東西流分布である(東向きの流れが正).
22mb での風速を0として計算した
( Flaser et al. 1981 ).
- 表1.
大赤斑の力学的無次元数
( Flaser et al. 1981 ).
- 力学的無次元数
- 表1.
大赤斑の力学的無次元数
( Flaser et al. 1981 ).
- 木星大赤斑のモデル〜How to make `Uzu-Uzu' ?
- テイラー柱
- 図1.
テイラー柱による木星大赤斑の説明,
(a) テイラー柱,
(b) テイラー柱を上から見た流れ,
(c) 木星のテイラー柱,
( Moore and Hunt 1983 より ).
- 定常渦
- 図2.
定常渦 ( Ingersoll 1973 )
- 孤立ロスビー波
- 図3.
ロスビーソリトン解と木星大赤斑模式図,
Maxworthy et al. (1976, 1978)
- 図4.
南熱帯擾乱.
1900年〜1940年の間, 南熱帯(STrZ)の中に観測された
暗い部分を南熱帯擾乱という.
この擾乱は大赤斑よりも西向きに速く進み,
大赤斑に衝突すると同時に大赤斑を飛び越した(図5.a).
Maxworthy et al. (1976, 1978).
- 図5.
大赤斑と南熱帯擾乱の衝突.
(a) 大赤斑と南熱帯擾乱の衝突の模式図.
(b) ソリトンの相互作用.
Maxworthy et al. (1976, 1978)
- 傾圧不安定
- 図6.
2層の β面準地衡流方程式を長時間積分した結果.
(a)上層の流線関数 (b)上層のポテンシャル渦度
(c)eddy 流線関数
(d)鉛直速度 (e)流線関数の差 (f)渦度.
影の部分は負の値をとる.
添え字は鉛直レベルを表す(1-4)
( Williams 1979 ).
- モドン
- 図7.
モドン解.
左図は基本流の形, 右図は定常解の流線関数である
( Ingersoll and Cuong 1981 ).
- 図8.
(a)ボイジャー可視画像に見られた渦の結合,
(b)モドンの結合,
( Smith et al. 1979, Ingersoll and Cuong 1981 )
- 中間地衡流渦
- 図9.
中間地衡流渦の結合.
中間地衡流方程式を時間積分して得られた
高気圧性のシアー流中の高気圧性の渦の時間変化の様子
( Williams and Yamagata 1984 ) .
- 図10.
浅水波方程式を時間積分して得られた高気圧性の渦
の形成の様子.
弱い順圧不安定なシアー流中で擾乱の発達が発達していく.
( Williams and Yamagata 1984 ).
- 図11.
浅水波方程式を時間積分して得られた `大赤斑のような'
高気圧性の渦. 上段の図は表面変位, 中段は速度の南北成分,
下段は鉛直速度を表す. 負の値の領域には影がつけてある.
( Williams and Yamagata 1984 ).
- 室内実験
- 図12.
回転水槽実験と木星 ( Read and Hide 1983 )
- 木星大気大循環〜How to make `Shima-Shima' ?
- 浅いモデル〜Rhines 効果
- 図1.
球面バロトロピックモデルで用いられた
73.6日目の強制項の分布
( Williams 1978 ).
- 図2.
- 図2 (続).
球面バロトロピックモデルで表現される
木星の `しましま'.
(a)4.6 (b)23.0 (c)46.0 (d)73.3 (e)161 (f)294.4 日目の
流線関数と帯状平均流 \bar{u}.
帯状平均流のスケールは 100 ms^{-1}
( Williams 1978 ).
- 深いモデル〜Taylor-Proudmanの定理
- 図3.
内部から熱せられた回転球流体の臨界不安定状態での
定性的な運動の模式図
( Busse 1983 )
- 図4.
深い対流モデルで予想される木星大気大循環の模式図
( Busse 1983 )
- 浅いモデルと深いモデル
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履歴 96/06/28 林祥介