10.5
ncdump
ツールは標準の出力にNetCDFファイルのCDLテキスト表現を出力する。 オプションによって、入力されたデータの変数データの一部又は全てを除外することも出来ます。
ncdump
からの出力は
ncgen
への入力として使用できるようになっています。よって、
ncdump
と
ncgen
はバイナリ表現とテキスト表現との間でデータ表現を変換するための正逆変換として使用できます。
ncdump
は又、NetCDFファイル用の簡単なブラウザとしても使えます。これによって、NetCDFファイル内の、次元名と次元長・変数名と型と形・属性名と値・オプションとして全てまたは選択された変数の値などを見ることが出来ます。
ncdump
はNetCDFの変数データの各型について使用されているデフォルトのフォーマットを定義しています。しかし、これはNetCDF変数に
C_format
属性が定義されていればこちらのほうが優先されます。この場合には、
ncdump
は
C_format
属性を使ってその変数の値をフォーマットします。 例えば、浮動小数点数であるNetCDF変数
Z
の有効数字が3桁しかないことが分かっている場合などに、この変数属性を使うと良いでしょう。
Z:C_format = "%.3g"
ncdump
は
`_'
を使って
_FillValue
属性(これはまだ書かれていないデータを表現するためにあります)と等しい値を持つデータ値を表現します。もし、変数が If a variable
_FillValue
属性を有していなければ、変数がバイト方で無い限り変数型のデフォルトフィル値が使用されます。
ncdump
を呼び出すUNIX構文
ncdump [ -c | -h] [-v var1
,...] [-b lang
] [-f lang
]
[-l len
] [ -p fdig[,ddig]] [ -n name
] [input-file
]
ここで、
-c
|
全ての次元・変数・属性値の宣言文と、
座標
変数(次元でもある変数)の値を示す。座標変数でない変数のデータ値は出力に含まれない。 任意のNetCDFファイルの構造と内容をざっと見るのに最も適したオプションです。
|
-h
|
出力で
ヘッダー
情報のみ示す。つまり、入力NetCDFファイルの次元・変数・属性 の宣言文のみを出力し、変数のデータ値は一切出力しない。出力は
`-c'
オプションを使用した場合とほぼ同じですが、座標変数の値も出力に含まれません。(
`-c'
又は
`-h'
オプションのどちらか一つのみ指定できます。)
|
-v var1,...
|
出力は、全ての次元・変数・属性の宣言文と、指定された変数のデータ値を含みます。このオプションの後にあるカンマで区切られた表中に、一つまたは複数の変数を名前で指定なければなりません。 この表はこのコマンドへの唯一の引数でなければならないので、空白や他の空白文字を含むことは出来ない。 名前付き変数は入力ファイル中で有効なNetCDF変数でなければなりません。 このオプションが選択されていなく、さらに
`-c'
又は
`-h'
オプションも選択されていない場合のデフォルトでは、
全ての
変数の値が出力されます。
|
-b lang
|
出力のデータ部分において、データの各
`
列
'
にCDLコメント形式の(
`//'
で始まるテキスト)簡潔な注釈が含まれるようになります。これによって多次元変数のデータ値の確認が容易になります。
lang
が
`C'
又は `
c
'で始まれば、C 言語の慣習(零基準のインデックス、最終次元が最も早く変わる)が使用される。
lang
が
`F'
又は
`f'
で始まれば、 FORTRAN 言語の慣習(1を基準としたインデックス、最初の次元が最も早く変わる)が使用されます。どちらの場合にも、データは同じ順番で表示され、注釈のみが異なります。このオプションは大量の多次元データを一覧する時に便利です。
|
-f lang
|
各データ値(文字配列中の個々の文字は除く)についての注釈が、連なるCDLコメント形式(
`//'
で始まるテキスト)でデータ部分に含まれる。
lang
が
`C'
又は
`c'
で始まれば C 言語の慣習(零基準のインデックス、最終次元が最も早く変わる)が使用される。
lang
が
`F'
又は
`f'
で始まれば、 FORTRAN 言語の慣習(1を基準としたインデックス、最初の次元が最も早く変わる)が使用されます。 どちらの場合にも、データは同じ順番で表示され、注釈のみが異なります。このオプションでは、各データ値が完全に識別された形で、別の行に表示されるので、データをほかのフィルタを通してパイプする際に便利です。(
`-b'
又は
`-f'
のオプションのどちらか一方のみしか指定できません。)
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-l len
|
文字でないデータ値のリストをフォーマットする際に使われる、一行の最大長のデフォルト値(80)を変える。
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-p float_digits[,double_digits]
|
|
属性や変数の浮動小数点数又は倍精度のデータ値のデフォルトの精度(有効数字の桁数)を指定するのに使われる。指定された場合には、変数の
C_format
属性の値より優先される。 浮動小数点データは有効数字
float_digits
桁で表示される。
double_digits
も指定されている場合には、倍精度値も同じ桁数で表示される。
`-p'
指定がなされていない場合には、浮動小数点と倍精度のデータはそれぞれ有効数字7桁と15桁になる。精度を下げれば、CDL ファイルを小さくすることができる。 浮動小数点と倍精度の両方が指定する場合には、2つの値をカンマ(空白無し)で区切り、このコマンドに対して単一の引数として与えなければならない。
|
-n name
|
CDLで は、
`ncgen -b'
がデフォルトでNetCDFファイル名を付ける際にNetCDFファイルの名前を必要とする。デフォルトでは、
ncdump
は入力NetCDFファイル名から拡張子を取り払った後、残されたファイルメ名の最後の要素でもって名前を付ける。 違う名前を指定する場合には
`-n'
オプションを使いましょう。
`ncgen -b'
で使われる出力ファイル名を指定することは可能ですが、
ncdump
を使用し生成されたCDLファイルを編集し、その編集されたCDLファイルから
`ncgen -b'
によって新しいNetCDFファイルを生成する際に、貴重なNetCDFファイルをうっかり上書きしてしまわないように、
ncdump
にデフォルト名を変えさせることをお勧めします。
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