= 海洋モデルミーティングログ(2015/01/21) == 参加者(敬称略) * 中島, 竹広, 高橋, 石渡, 河合 == 進捗状況の報告(河合) === 対流調節スキームの調査と導入 * ノートの作成 * 「瞬間的な」対流調節と「(対流の時間スケールを考慮した)ゆっくりな」対流調節(Klinger et al., 1996)についてまとめた. * TODO * ノート * 対流調節を記述する方程式を挙げて, 調節前後のポテンシャル密度の変化量を導く部分を追加する. * 「瞬間的な」対流調節と「ゆっくりな」対流調節の模式図の書き方を合わせる. * 対流インデックスの出力 * 対流調節前後で, 温位, 塩分の鉛直コラム内での保存性を確認 === 水惑星設定における海洋大循環の数値実験 * 今まで行ってきた密度一様風成循環計算よりも, より Marshall et al.(2007) に近い設定で行う. * 具体的には以下のことを行う. * 密度一様, 軸対称の仮定を外す * 中規模渦, 対流のパラメタリゼーション, 海氷モデルの導入 * 計算結果の比較が正しく行えるように実験シリーズを設計し直した. [A] GM スキーム, 対流調節スキームの両方を使わない場合 * 標準実験(EOS に UNESCO を使う) * EOS 依存性 * 鉛直拡散係数依存性 [B] 対流調節スキームを使う場合 * 標準実験(EOS に UNESCO を使う) * EOS 依存性 ([C] GM スキームを使う場合) * 標準実験(EOS に UNESCO を使う) * EOS 依存性 [D] GM スキーム, 対流調節スキームの両方を使う場合 * 標準実験(EOS に UNESCO を使う) * EOS 依存性 * [A],[B] の計算を行った. * [A] から分かったこと * Marshall の水惑星実験で見られるような, 低中緯度域の温度躍層, 塩分躍層は現れない. * 対流過程が適切に表現されないため, 深部の温位や塩分は Marshall の水惑星実験と比べ, 高温位, 高塩分となる. * 中緯度の海面境界条件で与えられた値が水平拡散・鉛直移流により深部の温位・塩分分布を決める. * 鉛直拡散係数をより大きくとれば, 高緯度域の海面の温位・塩分も深部の温位・塩分分布に影響を与えるようになる. * 温度躍層, 塩分躍層は依然として正しく表現できない. * EOS の依存性はあまり顕著でない * [B] から分かったこと * 高緯度域で対流調節が活発に起き, 海面の温位・塩分が深部まで短時間で達する. * 温度・塩分躍層が低中緯度に現れるようになったが, Marshall の水惑星実験の躍層より鉛直勾配は小さく, 深部にまで及んでいる. * 等密度面混合や GM スキームを用いていないためだと思われる. * EOS 依存性 * 対流調節が活発に起きる高緯度域の温位・塩分分布に 2 度, 0.2 psu ほどの違いを生む. * 非線形の EOS を使った場合, 定常状態に近づくと中緯度の温位塩分が時間的に振動する. * TODO * GM スキームのデバッグと並行して, [D] の計算も行い, 結果をまとめる. * 密度非一様設定における循環場の構造の理解 * 順圧成分に対する運動方程式を書き, その構造について考える. === 中規模渦パラメタリゼーション(Redi スキーム, GM スキーム) * ノートの記述が完結していない部分(拡散係数の決め方)を完成させた. * GM スキームのデバッグ * GM スキームと対流調節を同時に用いると, 温位・塩分場が鉛直方向に乱れる問題がある. * 原因 * 対流調節によって不連続的になった鉛直分布を, GM スキームにおいて鉛直微分をスペクトル法により評価したため * 対策 * GM スキームにおける鉛直微分を有限差分で評価するようにした. * GM スキームの海面, 海底近傍での取り扱いを再考した. * Tapering スキーム(Danabasoglu and McWilliams,1995; Large et al.,1997)を実装した. * その効果の詳細な検証はこれから行う. * TODO * GM スキームの解釈図を, 簡単な関形数を考えて描いてみる. === 全体的な TODO * 神戸ローカルのセミナーで発表した海氷モデリングの基礎についての発表資料を修正し, 公開する. * 大気海洋氷結合モデルによる水惑星実験の最近の研究の調査 * AGCM との結合に向けた, カップッラーの調査 == 次回予定日 - 2/18(水) 15:00 から