DCPAM 作業ミーティング記録 (2015/12/08)
参加者
- 北大
- 石渡, 荻原, 川原
- 神戸大
- 高橋(芳)
石渡からの報告
陸惑星計算 以前より, Abe et al. (2005) の結果とは異なり熱帯域の乾燥化が完全に起こらず 変だなと思っていた. ふとセミラグ外すとどうなるんだ? と考えたことをきっかけに 水蒸気輸送の取り扱いを変えた計算をいくつか行なってみることにした. おこなったのは, おもに自転傾斜角を 23.44 度とした場合. Abe et al. (2005) と同様, 10 年計算. バケツの初期深さは 10 m. おこなった実験は, 以下の 3 種.
- 水蒸気輸送をセミラグスキームを使って計算した場合
- 水蒸気輸送をセミラグスキームを使って計算, ただしm Arcsine フィルターを使わない場合
- 水蒸気輸送をスペクトル法で計算した場合 (セミラグ使わない)
これまでに作った図は 陸惑星実験(水蒸気輸送スキーム依存性)
- 結果
- いずれの場合でも, 熱帯域が湿る傾向にある.
- セミラグあり・Arcsine フィルターありの場合には, もっとも赤道が湿る. それ以外の 2 つの場合は, 似たような結果. 赤道域の土壌水分はもっと小さくなる. けれど赤道域では降水が存在する.
- TODO 最新リリース版 (DCPAM5-Version: 20150804) を使って Arcsin フィルターを使わない設定で計算をやり直してみる. 昔のソースでは質量補正のしかたが違っていたので それが悪さしていないか確認する.
高橋からの報告
輸送スキームに関して: 火星の水の計算の場合
DCPAM における可降水量の季節変化を見てみた. arcsin フィルターいれると, 水蒸気が低緯度まで輸送されない. arcsin フィルター抜くと, 水蒸気が低緯度まで輸送される. 水蒸気に関しては Arcsin フィルターを入れた方が観測に近い.
また, 火星では Ar の混合比が季節変化することも知られている. Ar と称するトレーサを入れた計算をやってみた.
Ls=90 だと, 北極域から Ar 混合比が小さい領域が低緯度域まで 伸びる. 南極域では南極冠に大気 CO2 が凝結するので Ar 混合比が増加する (分母が小さくなる).
このような季節変化の様子は Arcsin フィルターを入れた場合には まったくあわなくなってしまう (桁で違ってしまう).
荻原からの報告
観測された地形を与えた場合の DCPAM 計算で得られる ダストデビルによるダスト巻き上げダストフラックスの 水平分布に関する考察をおこなっている.
地表フラックスを計算するときに使う
u^2 + v^2 + (\beta w*)^2}^{1/2}
の動画を作成した. Ls=269 の頃の 1 時間毎の動画 昼になっている領域では, その気になってみると, 斜面のところで風が強くなっているようにも見える.
TODO 風ベクトルの動画を作る. 風の向きが斜面を登る方向にあるかどうかを確認する.
ついでに標高の勾配をベクトルで表した図も作ってみる.
次回日程
- 2015 年 12 月 15 日 (火) 10:00 TV 会議 (dcmodel meeting の部屋) にて