火星トレーサー輸送お試し実験
概要
火星の表面で何かしらの物質が放出された時, それがどの程度, どのように拡がるのかを DCPAM の計算によって評価する, ようなことを念頭において行った計算.
モデル
- 20180304-2 版
- スピンアップに利用
- 20180304-2 修正版 (トレーサ放出あり)
- スピンアップ後のトレーサ輸送実験に利用
- 地面の指定した範囲からトレーサ (QPassTrace) を放出
- 20180304-2 版の src/main/dcpam_main.f90 を書き換え.
- 地面のトレーサ放出範囲の経度, 緯度は, namelist dcpam_main_nml において QSfcFluxLonS, QSfcFluxLonE, QSfcFluxLatS, QSfcFluxLatE で指定.
- スピンアップ後のトレーサ輸送実験に利用
- コンパイル時には以下のオプションを使用
- -DSJPACK -DSLTT2D1DMONOTONIC
モデルの使用要素
- プリミティブ方程式系
- セミ・ラグランジュ法による物質輸送
- 火星大気放射モデル
- 乱流混合 (Mellor and Yamada (1982) level 2.5)
- 惑星表面フラックス (Beljaars and Holtslag, 1991)
- 簡単陸面モデル (バケツモデル, 土壌熱伝導)
- 非対流性凝結 (Le Treut and Li, 1991)
- 乾燥対流調節 (e.g., Manabe et al., 1965)
- 火星雲モデル (移流, 乱流混合, 凝結による生成, 重力落下)
- 雲粒粒径を仮定 (2e-6 m)
- ダスト分布: MGS scenario (Forget et al., 2001)
- 使用データ
個別設定・結果
解像度 T21L36
- 使用データ (dir)
- 地形, 地面アルベド, 地面熱慣性
- 地面温度計算フラグ, 地面温度
- 南極に CO2 の永久極冠が存在することを仮定するために, 南極の地面温度を 145 K に固定.
- 北極に H2O の永久極冠が存在することを仮定するために, 北極 (北緯 80 度以北) の地面に大量 (計算中になくならない量) の H2O 氷を置く... つもりだったが, どうやら忘れたらしい.
- スピンアップ用 namelist file
- トレーサ輸送実験用 namelist file と結果
- 経度 175E-185E, 緯度 20N-30N の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 175E-185E, 緯度 30S-20S の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 60E-70E, 緯度 45S-35S の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 175E-185E, 緯度 20N-30N の地面からトレーサ放出
解像度 T42L36
- 使用データ (dir)
- 地形, 地面アルベド, 地面熱慣性
- 地面温度計算フラグ, 地面温度
- 南極に CO2 の永久極冠が存在することを仮定するために, 南極の地面温度を 145 K に固定.
- 北極に H2O の永久極冠が存在することを仮定するために, 北極 (北緯 80 度以北) の地面に大量 (計算中になくならない量) の H2O 氷を置く... つもりだったが, どうやら忘れたらしい.
- スピンアップ用 namelist file
- トレーサ輸送実験用 namelist file と結果
- 経度 175E-185E, 緯度 20N-30N の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 175E-185E, 緯度 30S-20S の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 60E-70E, 緯度 45S-35S の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 175E-185E, 緯度 20N-30N の地面からトレーサ放出
解像度 T85L36
- 使用データ (dir)
- 地形, 地面アルベド, 地面熱慣性
- 地面温度計算フラグ, 地面温度
- 南極に CO2 の永久極冠が存在することを仮定するために, 南極の地面温度を 145 K に固定.
- 北極に H2O の永久極冠が存在することを仮定するために, 北極 (北緯 80 度以北) の地面に大量 (計算中になくならない量) の H2O 氷を置く... つもりだったが, どうやら忘れたらしい.
- スピンアップ用 namelist file
- 初期値生成 (大気)
- 初期値生成 (惑星表面)
- 実行 (スピンアップ 5 火星年積分) (並列計算用)
- 実際には, 計算の 3 火星年目の途中で止まったため, DelTime を 160 s に変更して 3 火星年目継続計算した. (継続計算の設定ファイル)
- リスタートデータ
- トレーサ輸送実験用 namelist file と結果
- 経度 175E-185E, 緯度 20N-30N の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 175E-185E, 緯度 20N-30N の地面からトレーサ放出
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 175E-185E, 緯度 30S-20S の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 60E-70E, 緯度 45S-35S の地面からトレーサ放出
- 実行 namelist file (並列計算用)
- スピンアップ後の北半球の春分から 62 火星日積分
- トレーサは消滅しない
- トレーサカラム密度
- 実行 namelist file (並列計算用)
- 経度 175E-185E, 緯度 20N-30N の地面からトレーサ放出
描画プログラム, スクリプト
トレーサカラム密度を計算 (GPhys スクリプト)
$ ruby vinteg-2022-09-14.rb --merge ../Ps.nc ../QPassTrace.nc out.nc
トレーサカラム密度の水平分布図 (静止画, dcl.pdf) を作成 (GPhys スクリプト)
$ ruby disp_lon-lat_v4.rb 2
静止画 (dcl.pdf) から動画 (anim.avi) を作成 (シェルスクリプト)
$ bash anim-loop.sh
参考文献
- Forget, F., Y. Wanherdrick, and S. R. Lewis (2001), Validation of the Mars General Circulation Model and Climate Database with new spacecraft observations, in Work Package 7, Tech. Note 11369/95/NL/JG, Eur. Space Agency, Paris. (Available at <URL:http://www-mars.lmd.jussieu.fr/mars/esadoc/lmd/esadoc.html>.)