deepconv テストプログラム: 暖気塊のテスト (その1)

ここでは deepconv を用いた 2 次元の暖気塊の上昇を計算するテストプログラムの実行方法を 説明します. この計算の設定は Wicker and Skamarock (1998) で示されている設定に 沿っています. この実験では乱流混合過程を切っています.

実験設定の概要

計算設定の概要は以下の通りです. 具体的な数値等の詳細は設定ファイルを参照してください.

  • 計算領域
    • 水平方向に 20 km, 鉛直方向に 10 km
  • 基本場と数値摩擦の設定
    • 温位一定の乾燥大気 (300 K)
    • スポンジ層なし
  • 大気成分などのパラメータ
    • 地球大気条件
  • 空間 / 時間格子間隔
    • 空間格子間隔: 125 m, 500 m
    • 時間格子間隔
      • 長い時間ステップ 2.0 sec, 短い時間ステップ 0.2 sec
  • 境界条件
    • 水平方向に周期境界, 鉛直方向に摩擦無し条件
  • 初期条件
    • x = 10 km, y = 10 km, z = 2 km を中心に, 振幅 2.0 K のガウス型(半値幅 2 km)の温位擾乱
    • 一様水平風 0.0m / 20 m
  • 計算モデル時間
    • 1020 sec

実験方法

実験は "exp_setup_files/05_warm-bubble" ディレクトリに移動して行います. このディレクトリに設定ファイル "warm-bubble.conf" と実行スクリプト "testrun.rb" が格納されています.

$ cd exp_setup_files/05_warm-bubble
$ ls
warm-bubble.conf  testrun.rb

実験を行うにはスクリプト "testrun.rb" を実行してください. このスクリプト により, 個別の実験を行うための設定ファイル, 初期値ファイルの作成から 実験の実行, 図の作成までが行われます.

$ ./testrun.rb

計算が終了すると, 以下のような個別計算用の設定ファイル, 初期値ファイル / ヒストリーファイル /リスタートファイル, イメージファイルが作成されます.

Imagemagick などでイメージファイルを表示させると, 以下のような結果が確認できます. それぞれ計算終了時の結果を示しています.

y 方向一様な場合 (水平風 0.0 m/sec)

05_warm-bubble/warm-bubble_160x5x80_std_std_0.0_1020.png

y 方向一様な場合 (水平風 20.0 m/sec)

05_warm-bubble/warm-bubble_160x5x80_std_std_20.0_1020.png

x 方向一様な場合 (水平風 0.0 m/sec)

05_warm-bubble/warm-bubble_5x160x80_std_std_0.0_1020.png

x 方向一様な場合 (水平風 20.0 m/sec)

05_warm-bubble/warm-bubble_5x160x80_std_std_20.0_1020.png

参考文献

  • Wicker, L. J., and W. C. Skamarock, 1998: A time-spliting scheme for the elastic equations incorporating second-order runge-kutta time diffrencing, Mon. Wea. Rev., 126, 1992-1999.
  • 気象庁予報部, 2014: 次世代非静力学モデル asuca, 数値予報課報告 別冊第60号