(失敗計算) 水平方向に不均一な湿度の初期場を与えた計算

計算の概要

• 一定の高度以上で, 水平領域の半分の初期の大気湿度をゼロにした計算をした
  • 湿度をゼロにしたい領域の基本場の水蒸気混合比と大きさが同じで符号が逆な水蒸気混合比の擾乱を与えて初期の大気湿度をゼロにしている
  • 初期の湿度をゼロにする水平領域は x = 0 km - 256 km
  • 初期の湿度をゼロにする高度の下限は, 7 km, 6 km, 5 km, 4 km, 3 km, 2 km, 1 km

失敗の概要

• 初期場ではなく基本場の水平領域の半分を乾燥させてしまった
  • 水平非一様な基本場を作ってしまったことになる
  • eccm.f90 で作成された鉛直一次元の水蒸気のモル比を basicenv.f90 で水平一様な物理量にする部分を書き換えたことによるミス

実験設定

• プログラム: deepconv arare4 ver. 20100306
  • ソースツリー
  • tar.gz
  • NAMELIST ファイル
  • 相対湿度の観測値データ (netCDF)
  • 温度の観測値データ (netCDF)
    • この netCDF を src と同じディレクトリ内に置かないと計算できません
  • 乱数ファイル
    • ランダムな擾乱を与えるのに必要
  • 初期値データ
    • 相対湿度の観測値データ (netCDF)
    • 温度の観測値データ (netCDF)
    • データファイルは gtool5 を用いて作成した
      • 相対湿度の元データ
      • 相対湿度の netCDF ファイルを作成するためのプログラム
      • 温度の元データ
      • 温度の netCDF ファイルを作成するためのプログラム
• 水平格子間隔 : 500 m
• 鉛直格子間隔 : 250 m
• 長い時間ステップ : 5 s
• 短い時間ステップ : 0.5 s
• 水平領域 : 512 km
• 鉛直領域 : 30 km
• 積分時間 : 60 h

基本場

• 温度と湿度は, Yamasaki (1983) の観測値を使用
  • ただし湿度の基本場は概要にあるように一部の高度でゼロにしてある
• 気圧は上記の値と, 静水圧平衡の式から求めている

初期条件

• 高度 300 m に振幅 0.3 K のランダムな擾乱を置く

物理過程

• 地表面からの運動量・熱・水蒸気フラックス
• 放射冷却
  • 対流圏における水平一様な放射冷却
    • 高度 0 - 10 km
      • -2 K/day
    • 高度 10 - 15 kmi
      • -2 [K] * (15 [km] - z)/5 [km] [K/day]
  • ニュートン冷却
• 高度 25 - 30 ㎞ にスポンジ層あり

計算結果

• 雲水混合比の擾乱成分
• 高度 10 ㎞ 以上に溜まる雲の発生場所
• 雨水混合比の擾乱成分
• 水蒸気混合比の擾乱成分
• トータルの水蒸気混合比の時間変化
• 温位の擾乱成分
• 水平方向の速度の擾乱成分
• 鉛直方向の速度の擾乱成分
• x 平均した各物理量の時間空間分布
• 地表面降水と領域全体の雨水落下項
• 運動量・熱・水蒸気の地表面フラックス