Ekman の論文1)
右にずれるのは地球の自転の影響であると, ナンセンは結論づけた.

これを,数学的に確かめたのが Ekman である. 彼の理論 1)によると, 拡散係数が深さによらなければ, 表面の海水は風下に対して右 45°(北半球の場合)に流れ, 深くなるにつれて速度は小さくなるものの, 方向はさらに風下からずれてくる. そして,ある深さでは,なんと

風上に流れる

ことさえある. 流速が深さとともに「らせん」を描くように変化するので, この流速分布をエクマンらせんと呼ぶ.