地球流体力学とは



地球流体とは大気, 海洋などの地球表層の流体から, マントル, 核などの地球内部まで, 流体とみなせる部分すべてをさす. したがって地球流体力学とは, そのような地球に関係する流体を扱う流体力学の一分野である. そういうと, なにも「地球流体」とわざわざことわる理由も ないように思えるが, この「地球流体」が結構くせ者なのである.

まず, 地球流体では自転が本質的に重要であるので, 回転系の力学が必須である. 「回転系ではコリオリの力の力が働く」ということは たいていの力学の教科書に書いてあるが, 実感としてコリオリの力を感じたことのある人はまずないので, 感覚的に理解しにくい. また, 大気や海洋は上下方向に成層しているが, そういう状態で起こる現象は普通の人の感覚に反するようなこともある.

しかし, 地球流体の力学が特別に複雑かというと, そうでもない. 要は「経験がないから理解できない」のである. 見たことも聞いたこともないものを, いきなり理解せよと言われても理解できるわけがない. そうだとすれば, 地球流体力学は何はともあれ「見ること」 から始めるべきだろう.

この実験集を見て「なんでやねん」と思ったら, それは地球流体力学への第一歩なのである.