渦の生成



非粘性流体中で「初めに渦がないところに, 突然渦ができることはない」 というのがケルビンの渦定理. でも, 現実は空気中でも水の中でも渦がいっぱいある. 現実の流体は粘性があるからケルビンの渦定理はなりたたない? いやいや, 現実には流体のかなりの部分で「非粘性」と思ってもよいくらい, ケルビンの定理はなりたっている.

現実に渦が作られるのは個体壁にごく近い「境界層」である. そこでは粘性が無視できないので, 渦を作ることができる. その渦が境界層内にとどまっている限り, その他の部分はケルビンの渦定理通りに渦を作ることは難しい. しかし, 境界層からその他の部分に「渦を運ぶ仕組み」があると 比較的簡単に渦を作り出すことができる.


実験装置

実験 PHOTOS