4.1 概要

これは, スペクトル(球面調和メソッド(元関数))変換を行なうメソッド(元サブルーチン)パッケージであり, 球面調和メソッド(元関数)展開の係数からグリッドデータ、およびその逆の変換を行なう. このパッケージは, データ解析を念頭において設計されており, 等間隔グリッドデータを扱えるという特長がある. また, スペクトルで与えられたデータの解析を念頭におき, 逆変換系のルーチ ンを充実させている. このパッケージの内部ではFFTLIBのメソッド(元サブルーチン)を用いている.

切断波数M(三角切断)のスペクトル逆変換は, 以下のように表せる:

(4.1)

または, ルジャンドル逆変換:

(4.2)

を導入すると、

(4.3)

と, ルジャンドル逆変換とフーリエ逆変換の積として表される. ここに, λ: 経度, φ: 緯度である.

また, Pmn(μ) は2に正規化されたルジャンドル陪メソッド(元関数)で, 以下のように 定義される:

(4.4)


(4.5)



また, スペクトル逆変換は以下のように表せる:

(4.6)

逆変換の場合と同様に, フーリエ正変換を,

(4.7)

と導入すると,

(4.8)

と, フーリエ正変換とルジャンドル正変換の積として表される.

G(λ、φ) が実数であるとすると, Smnおよび Wm(φ)は以下の関係を満たしている必要がある:

(4.9)


 

S-mn = {Smn}* (4.10)

ここに, {}*は複素共役を表す. 従って, Wm(sinφ) およびはm0の範囲だけを求めれば 良い. さらに, 上の制約から, Wm(sinφ)およびS0nは実数である.

本ライブラリは, スペクトルデータ(Smn) → 等間隔緯度円上のウエーブデータ(Wm(φj)) → 等間隔格子点上のグリッドデータ( G(φj)) の逆変換を(1〜 3)式に基づいて行うルーチン群, 等間隔格子点上のグリッドデータ( G(φj) ) → 等間隔緯度円上のウエーブデータ(Wm(φj)) → スペクトルデータ(Smn) の正変換を(6〜8)式に基づいて行うルーチン群および そして, その他の補助ルーチン群よりなっている.

ここに, 格子点の経度λi, 緯度φjは分割数I,Jによって 以下のように定められるものとする:

(4.11)


(4.12)