ISPACK F90/STPACK レファレンスマニュアル

ISPACK F90/N2PACK モジュールは球面上での 2 次元流体運動を スペクトル法により数値計算するための Fortran90 関数を提供する. 内部で ISPACK/STPACK の Fortran77 サブルーチンを呼んでいる. スペクトルデータおよび格子点データの格納方法については ISPACK/STPACK のマニュアルを参照されたい.

サブルーチン・関数一覧

サブルーチンの説明

subroutine stinitial(nm,im,jm,radius)

1. 機能 : スペクトル変換の格子点数, 波数, 球面の半径を設定する.
2. 引数の説明

       integer,intent(in)          :: nm              ! 切断全波数
       integer,intent(in)          :: im, jm          ! 格子点数(経度X, 緯度Y)
       double precision,intent(in) :: radius          ! 球面の半径
       

3. 備考
   他の関数を呼ぶ前に, 最初にこのサブルーチンを呼んで初期設定を しなければならない.

各関数の説明

関数の名前について

• 関数名の先頭 (s_, g_, v_) は, 返す値の形を示している.
  s_ : スペクトルデータ, g_ : 格子点データ, v_ : ベクトル格子点データ.
• 関数名の間の文字列(dx,dy,lapla, laplainv, jac )は, その関数の作用を表している.
• 関数名の最後 (_s,_ss,_g,_v) は, 入力変数の形スペクトルデータおよび格子点データであることを示している.
  _s : スペクトルデータ, _ss : 2 つのスペクトルデータ, _g : 格子点データ, _v : ベクトル格子点データ

凡例

• g : 格子点データ.
  変数の種類と次元は double precision, dimension(jm,im). im, jm はそれぞれ経度 X, 緯度 Y 座標の格子点数であり, サブルーチン stinitial にてあらかじめ設定しておく. 第 1 次元が緯度 Y 座標の格子点位置番号, 第 2 次元が経度 X 座標の格子点位置番号である (X, Y の順ではない)ことに注意.
• s : スペクトルデータ.
  変数の種類と次元は double dimension, dimension((nm+1)*(nm+1)). nm は球面調和函数の最大全波数であり, サブルーチン stinitial にてあらかじめ設定しておく. スペクトルデータの格納のされ方は関数 l_nm, nm_l によって 調べることができる.
• v : ベクトル格子点データ.
  2 つの格子点データの並び (gu, gv). それぞれベクトルの X, Y 成分.
• s_ で始まる関数が返す値はスペクトルデータに同じ.
• g_ で始まる関数が返す値は格子点データに同じ.
• v_ で始まる関数が返す値はベクトル格子点データに同じ.
• スペクトルデータに対する微分等の作用とは, 対応する格子点データに微分などを作用させたデータを スペクトル変換したものことである.

function x_grid(), function y_grid()

1. 機能 : 格子点データの経度座標(X), 緯度座標(Y)を返す
2. 備考
   単位はラジアン.

function l_nm(n,m)

1. 機能 : 全波数(n)と東西波数(m)からそのスペクトルデータの格納位置を返す.
2. 備考
   

function nm_l(l)

1. 機能 : スペクトルデータの格納位置(l)から全波数(n)と東西波数(m)を返す.
2. 備考
   返り値は長さ 2 の整数配列 (n,m).

function g_s(s)

1. 機能 : スペクトルデータから格子データへ変換する.
2. 備考
   

function s_g(g)

1. 機能 : 格子データからスペクトルデータへ変換する.
2. 引数の説明
3. 備考
   

function s_lapla_s(s)

1. 機能 : 入力スペクトルデータにラプラシアンを作用する.
   
2. 備考
   スペクトルデータのラプラシアンとは, 対応する格子点データにラプラシアンを作用させたデータのスペクトル変換のことである.

function s_laplainv_s(s)

1. 機能 : 入力スペクトルデータに逆ラプラシアンを作用する.
   
2. 備考
   スペクトルデータの逆ラプラシアンとは, 対応する格子点データに逆ラプラシアンを作用させたデータのスペクトル変換のことである.

function s_jac_ss(sa,sb)

1. 機能 : 2 つのスペクトルデータからヤコビアンを計算する.
   
2. 備考
   2 つのスペクトルデータのヤコビアンとは, 対応する 2 つの格子点データのヤコビアンのスペクトル変換のことである.

function v_grad_s(s)

1. 機能 : スペクトルデータから勾配ベクトル格子点データを計算する.
   
2. 備考
   

function v_ktimesnabla_s(s)

1. 機能 : スペクトルデータから回転的勾配ベクトル格子点データを計算する.
   
2. 備考
   

function s_div_v(v)

1. 機能 : ベクトル格子点データの発散を計算する
   
2. 備考
   

function s_rot_v(v)

1. 機能 : ベクトル格子点データの回転を計算する
   
2. 備考