更新した木星大気プロファイルを用いた計算

木星大気プロファイルを更新して 木星大気放射場のラインバイライン計算を行う方法を説明する.

概要

以下の手順で行う.

0. 作業ディレクトリの準備
1. 大気プロファイルの準備
2. 計算波数の指定
3. 気体吸収係数の計算
4. 粒子光学パラメータの計算
5. 入射放射フラックスの計算
6. 放射フラックスの計算

作業ディレクトリの準備

計算を行うソースプログラムをコピーし, 作業用ディレクトリを作成することにする. (以下の XXXX-XX-XX は使用しているファイルに合わせること. 下に示す作成するディレクトリ名は例なので好きに付けて良い.)

$ cd radmodels2-XXXX-XX-XX
$ cp -Rp lbl_k-dist lbl_k-dist_test_Jupiter_Simple_update
$ cd lbl_k-dist_test_Jupiter_Simple_update

以後の作業は lbl_k-dist_test_Jupiter_Simple_update 内で行う.

大気プロファイルの準備 (prog01.0)

「木星大気お試し放射計算」の「大気プロファイルの準備 (prog01.0)」と同じ.

ただし, 下の二つの点について更新する.

気体組成分布

「木星大気お試し放射計算」の「大気プロファイルの準備 (prog01.0)」において気体組成分布を作成した際には, 体積混合比は深部では一様で, 飽和した高度以上では飽和体積混合比とし, 高度に対して単調減少する分布を考えた. この時に考慮した飽和蒸気圧は固体表面上の飽和蒸気圧であった.

ここでは, 固体表面上の飽和蒸気圧に加えて液体表面上の飽和蒸気圧も考慮した分布に更新する. 飽和蒸気圧の温度依存性は, Irwin (2009) の Table 4.5 (p.96) に基づいて与えると良 い.

温度分布

「木星大気お試し放射計算」の「大気プロファイルの準備 (prog01.0)」においては理想化した温度分布を作成した. ここでは観測された温度分布を用いる.

データは Planetary Data System (PDS) からダウンロードする.

用いる温度データは Galileo 探査機 Atmospheric Structure Instrument (ASI) によっ て観測されたものである.

  • 観測結果 1 (上部) (descent.tab)
    • 書式説明 (descent.lbl)
      • 1 カラム目 : 時間
      • 2 カラム目 : 高度 (m)
      • 3 カラム目 : 圧力 (bar)
      • 4 カラム目 : 温度 (K)
      • 5 カラム目 : 密度 (kg m-3)
      • ...
  • 観測結果 2 (下部) (upperatm.tab)
    • 書式説明 (upperatm.lbl)
      • 1 カラム目 : 時間
      • 2 カラム目 : 高度 (km)
      • 3 カラム目 : 圧力 (hPa)
      • 4 カラム目 : 温度 (K)
      • 5 カラム目 : 密度 (kg m-3)
      • ...

方針

  • 上記の二つのファイルから, 圧力の対数で等間隔 (del log(p) = const.) に温度を計 算する.
  • 二つのファイルのファイルが持つ範囲の間のギャップは適当な方法で内挿する.
  • 最後に全体を滑らかにする操作が必要かもしれない.

計算波数の指定 (prog02.0)

「木星大気お試し放射計算」の「計算波数の指定 (prog02.0)」と同じ.

ラインバイライン吸収係数計算 (prog02.1)

「木星大気お試し放射計算」の「ラインバイライン吸収係数計算 (prog02.1)」と同じ.

ラインバイライン粒子光学パラメータ計算 (prog02.2)

「木星大気お試し放射計算」の「ラインバイライン粒子光学パラメータ計算 (prog02.2)」と同じ.

ラインバイライン入射放射フラックス計算 (prog02.3)

「木星大気お試し放射計算」の「ラインバイライン入射放射フラックス計算 (prog02.3)」と同じ.

ラインバイライン放射フラックス・加熱率計算 (prog03.0)

「木星大気お試し放射計算」の「ラインバイライン放射フラックス・加熱率計算 (prog03.0)」と同じ.