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1. 数値計算の概要

1.1 格子と変数の配置

本モデルでは Fig.1.1に示すように, 水平・鉛直方向の変数をずら して互い違いに配置する. 配置方法は, 水平方向に Arakawa C グリッド, 鉛 直方向には Lorenz グリッドを用いている.

すべてのスカラー量 ($\phi$ : 気圧偏差, 温位偏差, 水蒸気混合比, 雲水混 合比, 雨水混合比) を格子の中心に配置する. ベクトル量 (速度 $u, w$ など) は中心から次のように半格子ずらして配置する. $x$ 方向ベクトル量を評価す る点は, 鉛直方向にはスカラー量と同じとし水平方向に半格子ずらす. $x$ 方向ベクトル量を評価する点は, 水平方向にはスカラー量と同じとし鉛直方向 に半格子ずらす. 格子点のラベルづけおよび境界は Fig.1.2 のように 設定する.

1.2 空間, 時間方向の離散化の方法

空間方向の離散化は 2 次精度中心差分を用いて行う. 時間方向の離散化は時 間分割法を用いて行う. 運動方程式と圧力方程式は短い時間刻み $\Delta \tau$ で時間積分を行う. 音波に関する項の離散化には HE-VI 法を採用し, $u$ の式は前進差分, $w, \pi$ の式は後退差分で評価する. 音波にかかわら ない項についてはリープフロッグ法を用いて積分する. 熱力学の式とその他の トレーサの式は, リープフロッグ法を用いて長い時間刻み $\Delta t$ で時間 積分を行う.

図 1.1: 格子点の配置.
\begin{figure}\begin{center}
\Depsf[120mm]{ps/koushi.eps}
\end{center} \end{figure}

図 1.2: 添字と境界の設定. 実際に計算する添字の範囲は 1 から im とする.
\begin{figure}\begin{center}
\Depsf[120mm]{ps/num.eps}
\end{center} \end{figure}


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SUGIYAMA Ko-ichiro 平成22年3月5日