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は現象の時間スケールと地球が自転する時間スケールとの比を表
す無次元数で, 大洋スケールの現象を扱っている場合には, 一般に時間スケール
が 1 日よりも長いので,
である. また現象の時間スケー
ルが T=L/U で表される場合には
は
と等しくなる.
はロスビー数と呼ばれる無次元数で, コリオリ項と移流項の比を表
している. f0 が慣性重力波の伝播する時間スケールであることから, 水平距
離 L を流速 U で動くのに要する時間と慣性重力波が伝播する時間との比を
表しているとも言える. 大洋スケールの現象の場合,
,
であることから,
となる. EH, EV はそれぞれ水平エクマン数, 鉛直エ
クマン数と呼ばれる無次元数で, 粘性項がコリオリ項に対してどの程度の大きさ
を持つのかを表している.
,
程度とすると, それぞれ
,
程度となり, 1 よりはるかに小さいことがわか
る.
はコリオリパラメータの緯度変化の度合を表す無次元数で,
程度である.
以上のスケーリングをもとに, (10), (11) 式から O(1)よりもはるかに小さい項を無視すると以下を得る.
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(13) |
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(14) |
ここで両辺をバランスさせるためには, 圧力を
とスケーリ
ングすればよい. 次に鉛直方向の運動方程式について見てみる.
であ
ることは水平方向の運動方程式での議論から明らかである. また f'/f0 は
となるため, たとえば
とすると, せいぜい O(1) であ
ることがわかる. 一方
であること
から, コリオリ項は圧力傾度力に比べてはるかに小さい. また重力項のうち
による項は
となる.
P0 は残りの
による重力項とバランスするように
とスケーリングすればいいことになる.
結局 (12)〜(14) 式は以下のようになる.
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(15) |
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(16) |
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(17) |
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(18) |
ただし
でスケーリングした. これより,今
考えている時空間スケールの海洋(以後これを内部領域と呼ぶことにする)は水平
方向には地衡流平衡をしており, 鉛直方向には静水圧平衡していることがわかる.
(15), (16) 式から圧力 p を消去し, (9) 式を
利用すると以下を得る.
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(19) |
これは渦柱の伸縮 (右辺) が生じた時に, それに応じて渦柱が南北に移動する
(左辺) ことを表している.
Takashi Kagimoto
1998-09-03