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図 3d: 水平時間平均した温位に対する加熱率の日変化.
ダストのない場合の 6 日目の結果. 単位は K/day.
橙は対流による加熱, 赤は赤外放射加熱, 青は太陽放射加熱,
緑は乱流拡散による加熱, 明るい紫は散逸加熱. 下段は高度 1 km 以下の拡大図.
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図 3d
は水平時間平均した温位に対する加熱率の鉛直分布である.
日中の放射加熱は高度 2 km 以下で指数関数的に増加する.
この放射加熱は主に地表からの赤外放射を CO2 が吸収することによって生じている.
高度 4 km より上層のほぼ鉛直一様な放射加熱は CO2
の近赤外放射吸収によって生じる.
地表付近には地表からの顕熱フラックス供給にともなう拡散加熱と運動エネル
ギー散逸にともなう加熱が存在する.
最下層の拡散加熱率の大きさは放射加熱と同程度の大きさである.
対流による加熱は地表付近で冷却, 対流層内で加熱,
対流プリュームが上層の安定層に貫入する領域で冷却となっている.
対流加熱の大きさは対流層の厚さが浅い午前中は 100 K/day 近くに達し,
対流層の厚さが厚くなる午後では 20 ~ 40 K/day となる.
地表付近の対流冷却層の厚さは約 400 m で, 熱境界層はこの領域に含まれる.
夜間の赤外放射冷却の分布はその日中の分布を符号反転させたようなものとなる.
放射冷却の大きさは高度 2 km
以下にある温度逆転層が成長するにつれて次第に小さくなる.
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