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スキームの適合性と安定性

スキーム(12), (13)の適合性と安定性について 考察する. まず適合性を調べる. (12)式は $\Delta t, \Delta x
\rightarrow 0$ の極限で(2)式に一致する. (13) 式だが $\Delta t, \Delta x
\rightarrow 0$ の極限で(14)式から,


\begin{displaymath}
\tilde{u} \rightarrow 0,
\end{displaymath}

となることがわかるので, (13)は


\begin{displaymath}
\DP{\psi }{t} = 0,
\end{displaymath}

となる. よって(12), (13)のスキームは適合性がある ことがわかる.

次に安定性を調べてみる. スキーム(12)の安定条件は


\begin{displaymath}
\mbox{max}\left(\frac{\vert u_{i+\frac{1}{2}}\vert\Delta t}
{\Delta x}\right) \leq 1,
\end{displaymath} (15)

である. スキーム(13)も形は同じ上流差分なので安定条件は,


\begin{displaymath}
\mbox{max}\left(\frac{\vert\tilde{u}_{i+\frac{1}{2}}\vert\Delta t}
{\Delta x}\right) \leq 1,
\end{displaymath} (16)

となる. $\tilde{u}_{1+\frac{1}{2}}$ に(14)式を代入すると,


\begin{displaymath}
\mbox{max}\left[\underbrace{\frac{\vert u_{i+\frac{1}{2}}\v...
...(\psi _{i}^{*}+\psi _{i+1}^{*}+\epsilon )}}_{C}\right]\leq 1,
\end{displaymath} (17)

となる. (15)式が成り立つとすれば $A, B$ は 1 以下である. $C$ も 1 以下となるので(15)式が成り立てば(17) 式も成り立つことがわかる. 特に(15)が成り立つとき $A\times B$ の最大値は 0.25 であるので $C$ が 1 に近いときでもスキーム(13) はかなり安定である.



Odaka Masatsugu 平成18年2月10日