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4 ダストの輸送モデル

ダストの質量混合比 $q$ はダストの重力沈降を考慮したスカラー量の移流拡散 方程式で計算する.


\begin{displaymath}
\DD{q}{t} + \frac{1}{\rho _{0}}\DP{}{z}(\rho _{0}Wq) = D(q).
\end{displaymath} (20)

ダストの重力沈降速度 $W$ は Conrath (1975) に従って以下の式で与える.

\begin{displaymath}
W = - \frac{4\rho _{d}gr^{2}}{18\eta}
\left(1+2\frac{\lambda_{r}}{r}\frac{p_{r}}{P_{0}}\right).
\end{displaymath} (21)

ここで $\rho _{d}$ はダスト粒子の密度, $r$ はダスト粒子の半径, $\eta $ は大気の粘性率, $\lambda _{r}$ は圧力 $p_{r}$ での大気分子の平均自由行程 である. 本来は粒径の異なるダストごとに(21)を計算す る必要がある. しかし本モデルでは計算を簡単にするため([*])式中の粒径 $r$ の値はダストの粒径分布関数 ((38))に現れるモード半径 $r_{m}$ の値で代表させる.

地表面からのダストの巻き上げは地表摩擦 $\tau _{m}\equiv\vert F_{u}\vert$ がある閾値 $\tau _{mc}$を超えた場合に起こると仮定する. 巻き上げ時のダストフラックス $F_{q}$ は一定とする.

パラメータ

ダストの移流モデル部分に現れるパラメータの標準設定は以下のようになっている.


表 3: ダスト移流モデルのパラメータ
パラメータ 標準値 備考
$\rho _{d}$ 3000 kgm${}^{-3}$ Conrath (1975)
$\eta $ 1.5$\times10^{-5}$ kgm${}^{-1}$sec${}^{-1}$
$p_{r}$ 25 hPa
$\lambda_{r}(p_{r})$ 2.2 $\times 10^{-6}$m
$r_{m}$ 0.4$\mu $m Toon et al. (1977)
$F_{q}$ 3.7 $\times 10^{-6}$ kgm${}^{-2}$ White et al. (1997)
    ( $\tau_{m} \geq \tau _{mc}$)
$\tau _{mc}$ 0.01 Pa  


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Odaka Masatsugu 平成19年4月25日