まず熱伝導層の厚さとそこでの温位差を (2),
(4) 式から評価してみよう.
対流の駆動に関係する日中の CO2
の赤外放射加熱量と顕熱加熱量の合計は約 20 Wm-2
(図 12f 参照) である.
計算された乱流拡散係数の大きさはダストのない場合と同程度
(~ 15 m2sec-1) であった
(図 12b).
これらを用いて (2)
式から計算される熱伝導層内の温位勾配は -0.1 Km-1
である. この値は 図 14 に示した計算結果と整合的である.
このとき
を与える (4)式は以下のようになる.
これより
~ 60 m,
~ 6 K となる (計算結果は
< 50 m,
~ 3 K).
ダストのない場合のそれぞれ見積もりと比べると,
はほぼ同じで,
は 2 K 小さい.
対流プリュームの持つ温位偏差を (5)
式から見積もる. 図 14 より熱伝導層の厚さ
を約 40 m, 熱伝導層の温位差
を 3 K とする. 対流層の厚さ
は 5000 m とする.
乱流拡散係数の大きさはダストのない場合と変わらないとする
(~ 15 m2sec-1).
(5) 式からプリュームの持つ温位差は,
となる.
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図 14: 高度 1 km 以下の水平平均温位の鉛直分布.
ダスト巻き上げ後 6 日目 LT = 14:00 の結果.
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