ダスト巻き上げ 6 日目の対流場の様子を 図 13 に示す
(出力時間間隔を短くした結果は 付録 D に示す).
対流セルの空間スケールは鉛直方向に約 5 km, 水平方向に 2 〜 3 km 程度である.
したがってダストのある場合の対流もダストのない場合と同様にキロメータサイズ
の対流であるといえる. 対流プリュームの持つ温位偏差は 1 〜 2 K で,
ダストのない場合 (図 4 左上)
に比べ小さい.
対流にともなう鉛直風は 10 〜 15 msec-1,
水平風は 10 msec-1
前後の値となる. これらの風速の大きさは同じ時間帯のダストのない場合
(図 4 右)に比べ小さい.
下昇域幅に対する上降域幅の比, プリュームの上昇下降の様子,
プリューム混合の様子はダストのない場合と変わらない.
風速の大きさがダストのない場合に比べ小さくなるのは,
対流層の厚さが小さくなったことと
対流プリュームの持つ温位偏差が減少したことによる.
対流層の厚さが小さくなるとプリュームの自由加速距離が減少するため,
浮力による運動エネルギー生成は減少する. 対流層の厚さ
とプリュームの持つ温位差
はダストのない場合の半分程度であるので,
(1) 式から見積
もられる風速の大きさはダストのない場合の約半分 (〜 10 msec-1)
となる. 対流プリュームの持つ温位偏差は
(5) 式を用いて
およその値を評価することができる (詳細はこちら).
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